NTT法

2006年5月5日 金曜日

早嶋です。



NTTドコモの、おサイフケータイと連携したクレジットカードサービス「DCMX」が開始されます。対してKDDIは三菱東京UFJ銀行と組み、携帯電話を利用した決済専門の新銀行を設立します。電子マネーの決算会社がいよいよ本格始動している前兆です。



しかしNTTにとって、NTT法というものの存在のため、自由度の高いサービスを提供することができません。例えば、KDDIやソフトバンクは、銀行や証券、クレジットカード、放送といった事業に自由に参入できます。また、全国に一律に公平なサービスを提供しなければならないユニバーサルサービスの義務もありません。



しかし、NTT法の規制を受けているNTTとNTT東日本とNTT西日本は、銀行、証券、クレジットカード、放送といった事業を行うことが出来ず、さらにユニバーサルサービズの義務化があります。



NTT法とは、NTTとNTT東西地域会社の設立意図、業務方法等をまとめた法律です。84年に電電公社が民営化するに際して「日本電信電話株式会社法」として制定されたものです。



これは、当時NTTが民営化するに際して、あまりにも巨大すぎるので3つに分割され、更に縛りをかけられた感じになります。しかし、現在ではNTTの競合相手が強くなっています。それなのにNTT法で縛られたままでは、NTTにとってアンフェアになります。法の制定から20年が過ぎているのでこの法律も見直す時期が来ていると思います。



それは、NTTがソフトバンクやKDDIのように銀行、証券業務、クレジットカード事業で競争が出来るようになると、銀行やクレジットカードの現在のバカ高い手数料が安くなり、結果的に普段の生活が飛躍的に便利になる可能性があるからです。



80年代、米国ではAT&Tがクレジットカードを出し、わずか5年で全米2位までのシェアに成長し、それに慌てたシティバンクに買収されています。中国では契約者の個人情報を利用することで、チャイナテレコムが電子商取引の業界に参入し、途方も無い国際競争力を身に着けようとしています。



そもそも電話会社は、クレジット会社同様の料金請求の仕組みを持っているためすぐにでもクレジットカード会社になれる素質があります。信用調査などは、NTTの顧客リストで過去の滞納状況を見るとかなり楽に審査ができます。また、クレジットカードの会社になれるということは銀行にもなれるということになります。さらに、インターネットバンキングもNTTのシステムに少し手を入れると可能になるはずです。



上記に加え、NTT法の縛りが無くなれば、料金請求や回収業務の代行も行えることになります。そうなれば、我々にとっては支払い窓口が一つまとまって便利です。



いづれにせよ、ソフトバンクやKDDIなどといった会社と同じ土台で競争をする事で、提供されるサービスの質が向上します。制定から20年もたつこの法律を見直す時がやってきているのではないでしょうか。



—ただ今、ブログマーケティング実験中。—



実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』をご覧ください。



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