上司としてのコーチング

2009年9月22日 火曜日

前回は「管理」にまつわることを書きました、今回は企業内におけるコーチのもう一つの仕事、「指導・育成」に関して書きます。短期的な成果に関わるものが「管理」であるとするなら、継続的な成果につながるのが「指導・育成」です。



私自身は“学習による成長を支援する「指導・育成」の方法”という表現を使ってコーチングを表します。その目的は“自分で考えて行動する「思考特性・行動特性」を身につけること”、何でも上司に聞くのでなく、自分で答えを見つけようという姿勢のことです。



動物の世界でも同じですが、基本的に「育てる」ということの意味はこれだと思います。自分でえさを見つけて生きて行く力をつけること、それが育てるということです。人間の世界でも同じことです、親がいなくても食って行ける子供を育てることです。



昨年はやった言葉に「カーナビ・ペアレント」というのがあります、子どもに何でも教えてやる、子どものやることを全て決めてしまおうとする親のことです。先日も友人の一人が、大学生の娘の卒論を自分が書いたと言っていました、これなどがその典型です。



会社の中にもいませんか、こんな「カーナビ上司」が。先日の研修会場にもいました、「自分でやった方が速い」「考えさせるより答えを教えた方が速い」。確かにそうでしょう、私にも覚えがあります、その時々の仕事を要領よく片付けるにはその方が速いですね。



しかしここでいう「速い」は、あくまでも目の前の仕事を片付けることにおいてという制約があることを忘れないでください、もう一つ忘れてはいけないのが、「部下の成長が速い」ということです、この上司の視点からはこれがすっぽりと抜け落ちています。



「目の前の仕事をこなす」ことと、「部下の成長」をトレード・オフ(引き換え)していることを理解してください。さらに言えば「今の成果」と「将来にわたる継続的な成果」をトレード・オフしているのです。どちらが企業により大きな利益をもたらすでしょうか。



上司は部下に答えを教えるばかりが仕事ではありません、部下が自分で答えを見つけられるように育成することがもう一つの重要な仕事なのです。



長田





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