無料の魔力

2009年9月3日 木曜日

ご好評につき、「プレミアムローストコーヒー」1杯無料提供キャンペーンを午後6時~7時に実施!関東圏(8/28~9/3)・全国(9/11~17)にて展開。



上記はマクドナルドのプレミアムローストコーヒーのキャンペーンです。プレスリリースによると、マクドナルドのコーヒーSサイズを無料でふるまうという何とも太っ腹なキャンペーンです。



しかし、昔から言います。タダより高いものは無いと!そこで少し考えてみました。無料になる前の価格は1杯100円(~120円)のコーヒーです。そのためマクドナルドから得られる価値は暫定的に100円とします。



仮に、このキャンペーンを目的にマクドナルドに足を運んだとしましょう。コーヒー下さい!といえば100円分の価値を無料で得られる事が出来ます。しかし、物理的に移動しなければならないので、そこにはコストが生じています。例えば、マクドナルドがすぐ近くにあるわけではありません。そこに行くまでの移動コストや時間を消費するかもしれません。このコストは100円以上の価値がある場合もありますね。これは決して合理的ではありません。



また、人によってはコーヒーを一杯だけもらうのはなんとなく気恥ずかしいかもしれません。ついついハンバーガーを一個注文するかも知れません。まさに思うつぼ。



また普段、マクドナルドでコーヒーを飲まない方がこれをきっかけに飲むようになるかもしれません。マクドナルドは僅か100円のコストで生涯飲み続ける顧客を獲得するかもしれません。



無料!とつけば思わずもらいたくなる。コーヒーが本当に飲みたい分けではないのに、ついつい頼んでしまう。無料のチカラ、何故にこんなに人の心をそそるのでしょうか?人は無料!となると、実に不合理な判断を取るものです。



アマゾンは、一定額以上の書籍を購入すると送料を無料にするサービスを開始して売り上げを増大する事に成功しました。例えば日本では1500円以上の注文で無料になります。しかし、次のようなからくりがあります。もし、1400円の本の購入を決めた人がいたら、無料にするために1000円の本を追加するかもしれません。



この時の消費者の発想は、どうせ読むから合理的な判断だよね!と自分に言い聞かせます。でも実際は、1400円の書籍と送料300円程度を払った方が経済的にはお得です。追加で買った1000円の本は本来購入を決めていなかったからです。



以前、車の広告に新車を購入したら3年間オイル交換無料!と書いたチラシを目にした事があります。これも恐ろしく魅力的に見えますが、実際には大したバリューは有りません。オイル交換を1万5千キロに1回するとして、1回にかかる費用は7000円くらいです。年間に1万5千キロ走る人は、3年間で2万1千円の費用になります。



車1台の価格に比較するとこの価格は誤差範囲ですよね。それでも3年間無料!と聞くとものすごく得をした気分になります。



マーケティングにおいて無料!はものすごいパワーを持つのです。ですから、無料!と着いたら冷静に考える事をお勧めします。



コメント / トラックバック6件

  1. LITTLE より:

    某ゲーム機?が1万ほど安くで、再発売されましたが、最初に発売されたときは、5万でその次に無駄なオプションを外して4万で、次はHDの要領を多くして3万で発売しました。購買意欲を出すための戦略なのでしょうか?それとも生産ラインが落ちついて、3万でも利益があるからでしょうか?
    それだったら、最初から3万で出せば、利益は一定の割合で出たと思います。時流にそっての価格競争の為なのですかね?
    早嶋さんの考えが聴きたいです。よろしくお願いします。

  2. 早嶋 より:

    相対的な価値判断を重視した時、お客様が高いと判断していて、価格を下げたのではないでしょうか?
    可処分所得の平均値を考えると5万円をゲーム機に出すのは考え物だ!でも3万円程度だったら買ってもいいかな?と考える消費者がいたのでは?
    順番として、安い価格3万、中くらいの価格4万、高機能の価格5万を一気に出していたら、4万円の機種が売れていた可能性も考えられますね?
    LITTLEさんはどう考えますか?

  3. LITTLE より:

    コメントありがとうございました!
    最初の販売設定5万の時は、BRも再生でき、綺麗な画像でゲームができるということでの価格設定だと思います。
    でも、実際はユーザーが求めているのはゲーム機としての価値であり、BR再生は二の次だったと思います。
    それに、ほかのゲーム機と同じくらいの価格にしないと売れないとも考えられます。
    ゲームを作る側は昔と違い、その機種だけの単独発売がなくなり、多機種で同じ内容のゲームを製作して、発売しています!さすがに5万のゲーム機で作るより3万の多機種で発売したほうが利益がでますもんね!
    僕の考えですけど、5万で発売する時からの戦略だと思います。初期設定で売れなかった場合も想定してでの販売戦略で、もし、5万で売れまくっていたら、そのまま据え置き5万で売っていたと思います。
    でも売れないために多機種と同じような値段になるように段階的に値段を下げ、今の平均金額が3万だったのでその金額設定にしたと思います!他のゲーム機種と同額になったことで、BR再生機能の付加価値が生きてくると思います!そして目標売り上げ台数に達して、さらに増産できるラインの設備が整ったらさらに値下げして、勝負に出ると思います!ゲーム機として成功するかは2,3年後が楽しみですね!

  4. 早嶋 より:

    早嶋です。
    本件に関して、2008年11月24日(wii?)のブログでもコメントしています。参照下さい。
    http://blog.livedoor.jp/biznavi/archives/2008-11.html#20081124

  5. LITTLE より:

    確かに、Wiiは成功したと思いますが、実際、任天堂のソフトしか売れていないのが現状です。RPGとかは、PS3やXBOX360のほうがプレイする側としては面白いと思います。そこで考えられるのは、ソフトを作るときにかかる制作費が高いためにPS3だけ取り残されているのが現状です。高性能機種であるがゆえに、ソフト作るのに○億円かかるとも聞いています。XBOX360が売れないのは海外ブランドであるということと、日本人向けのゲームが少ないからだと思います。あと、日本人向けに作る場合の大きな壁が年齢制限規制が一番厳しく、思うような作品がソフトとして出せないとも聞いています。
    ちなみに海外ではXBOX360が一番売れている機種みたいですよ!

  6. 早嶋 より:

    コメント、ありがとうございます。
    ターゲットに柔軟に機種の開発を揃えた。wiiは他のゲーム危機と勝負するのを避けて、お母さんの財布の紐を緩めるための作戦に出た!という感じですね。
    XBOXのコメント興味深いですね。

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