認識が創りだす姿

2009年7月14日 火曜日

早嶋です。



企業研修で戦略立案などの思考法のワークショップを行うとき、次のようなゲームを行うときがあります。



ワークショップでは4人から5人で1チームを作るのですが、各チームには戦略系コンサルファームのメンバーになってもらいます。そして、各チームが対象企業の戦略を立案してコンペするというシナリオです。それから各チームには社長役を決めてもらいます。



すると、役割や想定がない時よりも、はるかに高度でより深い議論がなされます。また、社長役になった人は非現実的な発想に対しての抑制効果や、逆にアイデアレベルが乏しい時に視点を切り替える発言などを行いチームの議論を活性化します。



ワークショップとは別の事例です。何かの切っ掛けでこれまで知らなかった人とお話をしていて、名刺交換をしたときです。名刺の肩書に取締役と付いていると、以外に人は反応を示し、その以前の言葉使いが変化します。多くの人が目の前にいる人の役職によって無意識のうちに言葉使いや話し方を変えているのです。



上記の2つの例は、人間の認識がいかにコミュニケーションや思考レベルに影響するのかを示しています。



例えば、父親が会社の経営者で息子は全く経営に無関心。だけど急な理由で息子が社長の座に就かなければならなくなった状況。息子はこれまでの人格が全く別人になったように社長の顔になる話を良く聞きます。



例えば、大会社で平の取締役だった人が、大抜擢されて先輩方々を飛び越して社長に就任した瞬間、社長として扱われます。周りの扱いも彼や彼女を社長と認識するのでダブルの効果が働きます。振る舞いや話し方が社長になるのです。



例えば、近所の控えめなおじさんが町内会の会長に選ばれた時もそうです。突如としてテキパキ発言するようになり、急にリーダーシップを発揮する場合があります。



例えば、結婚して急に一児のパパになった瞬間、これまでだらだらしていた性格が急に父親らしくなる場合があります。



人は役割によって大きく人格や性格を変化する事ができるのです。役割によって周囲の認識が変わります。その人を見る目や扱いが変わることによって、その本人も変わっていくのです。



これを利用して、自分がなりたい姿をイメージしてその姿を演じることができたらどうでしょうか?きっと周囲の認識が変わることで自分がそのなりたい姿を演じる事がより行いやすくなります。そして継続することで演じている自分が、自然の姿になり、なりたい姿になってしまうこともあるのではないでしょうか?



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