個客志向

2008年12月16日 火曜日

早嶋です。



one to one最近の経営課題に顧客満足を掲げている企業は多いと思います。そして、顧客満足を掲げているがために顧客志向を実践している!と考えている経営者も多いのではないでしょうか?



では、顧客満足=顧客志向という等式は成り立つでしょうか?早嶋の考えでは否です。次元が違うからです。顧客満足は顧客が感じる価値を重視する経営です。顧客が価値を感じなければどのような製品でもサービスでも売れないですね。だからと言って、顧客満足を得るための方法として、必ず顧客志向が良いかと問えば、これは次元が違いますね。顧客志向は顧客満足を達成するための一つの手段であり、絶対的な方法論ではないからです。



マーケティング論では、顧客に目を向けることが出発点です。顧客のニーズを調査して、その結果を商品にフィードバックする。そして、テストマーケティングを行い、再び商品を改善する。実際に市場に出してからも、継続的に顧客の声を商品に反映していく。この考えが従来から主張されたマーケティングの流れです。



しかし、現在ではまた別の問題が生じています。商品のコモディティ化です。非常に完成度が高い商品が市場にあふれた結果、消費者の欲求が高いレベルで満たされることになり、消費者が求める画期的な商品は少なくなります。極端にいえば、消費者のニーズが希薄になっています。



これは消費者に様々なニーズを聞き出すことを繰り返すことによって、革新的な商品を創造することが難しくなったことを意味します。この作業は、競合他社の追随を繰り返すことになりかねないからです。



上記は、顧客志向を否定するものではありません。むしろ、より細部にわたった顧客志向の実践が必要ではないか?ということを示唆しています。重要なのは個人としての消費者が何を望むか?というよりワン・ツー・ワンに近い顧客志向が重視される傾向があるのです。



その意味では顧客志向を顧客満足の方法論として実践していくことは、今後ますます重要になります。そして、顧客のフォーカスがより個人にフォーカスされていくため、顧客志向は個客志向へて変化しているのです。



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