アフォーダンス理論

2008年12月15日 月曜日

早嶋です。



自販機アフォーダンス理論。affordance:与える、提供するという意味をもつ英語、アフォード(afford)から米国の心理学者であるジェームス・ギブソンが50年代後半に作った造語です。生態学的心理学と呼ばれ、環境は人間や生物に対して、何かなすべきことを誘っている、そのメカニズムを明らかにしようとする理論体系の総称です。



別の言い方をすると、物体の持つ属性(形、色、材質・・・)が、物体自身をどう取り扱ったら良いかについてのメッセージをユーザに対して発している、とする考えです。



小さな子どもが初めて遊ぶゲーム機を説明書を介さずに扱えるとしたら、そのゲーム機は子供たちをあフォードしているということができるでしょう。



初めて入った建物の中で、どこにエレベーターがあり、どこにトイレがあるか、何となくわかる。その建物はその人をアフォードするように設計しているのです。



アフォーダンス理論は高度成長を続けてきた自動販売機(自販機)ビジネスにも大きく関係しています。現在では、自販機1台あたりの利益は減少しており、自販機を設置する最適な場所も飽和しています。



そこで、アフォーダンス理論を自販機に用いて成功した事例があります。これまでは、自販機=飲料を販売する機械、と捉えられていました。その前提を壊したのです。例えば、何気なしに自販機を見たとき、ジュースを無意識に買おう!ということで財布を取り出した経験はないでしょうか?



あたかも自販機が人に刺激を与え、購買する意識をアフォードしているのです。この瞬間、自販機=休憩やほっと一息の願望を生み出す機械、と再定義されたのです。となれば、自販機ビジネスの視点は一遍します。販売する機械から欲望を生み出す機械に変化したからです。



現在では、リフレッシュコーナーとしての自販機群やちょっと一休みを提供する場を伴った自販機は当たり前に目にしますが、上記のような発想の転換が裏に隠されているのです。



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