早嶋です。
昨日の「手のりたま」の購買行動を消費者行動論的に表現すると計画外購買となるでしょう。
自分にとって関係の深い商品(関与が高い)であれば、購買前に既に購入する対象の商品が決まっています。しかし、車のような高額の商品でも、実際に色を見て、試乗しているうちに、その場でオプションをつけることもありますね。ましてや、コンビニやスーパーでの買い物となれば、計画外購買は以外に多いことに気付くと思います。
この事をアメリカの学者が調査(3万点の商品を購入できるとあるスーパー)した時、商品のうち6割が計画外購買、3割は明確に計画された購買、1割は大まかに候補を絞られた購買、という結果が出たそうです。また、他の学者も、7割の購買は店舗内で意思決定がなされるという結果を出しています。
普段の生活でも、スーパーのレジ横には、ガム、チョコレート、飴、雑誌・・・。靴屋さんのレジ横には、靴磨き、靴クリーム、ブラシ、靴紐・・・。アパレル店のレジ横には、靴下、かさ、ボールペン・・・。飲食店のレジ横には、目玉商品のお持ち帰りセット、お子様用のお菓子・・・。意図的に計画外行動を誘発する仕組みに気付くと思います。
買う商品が明確ではない場合、計画外の商品購買を起こすような場合、現場での様々な環境要因が購買行動に影響を与えます。これらは、例えばディスプレイの見せ方や、ポップの工夫、販売員の気の利いた一言、提案するタイミング、これまでの広告、など様々な要因が重なり合います。
マーケターとしては、このような事象や行動を分析して、「どうして売れているのだろう?」という事を考えていくことも大きな役割の一つです。最近は、上記の内容はWeb上にも当てはまります。Web上での行動追跡はデータが残っていて、データマイニング等が行いやすく、それらの行動を分析するためのツールも以前と比較してとても安価になりました。これまで、個人レベルで調査が不可能と言われていた域の実験も簡単に日常的に行えるようになりました。
「手のりたま」から計画外行動についてでした。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
【広告】大人気のビリーズ・ブートキャンプ!、さぁ1週間で夏本番に備えましょう!
2007年6月 のアーカイブ
計画外行動
手のりたま
早嶋です。
近くのコンビニのレジ横に、「手のりたま」があったので思わず購入しました。
この「手のりたま」は、ふりかけと言えば誰もが想像することが出来る丸美屋食品工業が販売するふりかけ、「のりたま」のパッケージを一新したものです。手のひらサイズのひよ子容器に、のりたまが入っていて密閉性を高めたもので、携帯にも便利な感じです。
のりたまといえば、玉子味の顆粒ときざみ海苔の組み合わせが絶妙のふりかけで、誰もが一度は食べたことがあると思います。こちらの商品は、1960年の発売以来、圧倒的なシェアを維持しています。
のりたまが画期的だと思う点は、ネーミングです。当時は高級食品であった「玉子」と「海苔」をそのまま使って「のりたま」として定着させたところは絶妙です。当時の誕生秘話を調べて見ると、「旅館の朝食のような贅沢なおいしさを家庭でも手軽に味わえるような食品を開発しよう」というのが事の発端だったようです。
さて、のりたま、発売当時から丸美屋は、普及し始めていたテレビに注目しています。積極的にテレビCMを提供していました。また、当時の人気アニメだった「エイトマン」とタイアップして、オマケシールをつけるなど、当時としては随分と画期的なマーケティングを手がけていた部分も注目に値します。
2000年にのりたまは40周年をむかえ、発売当時の復刻版パッケージで出た際にも、エイトマンのシールが付いていましたね。
のりたまを継続的に売るための企業努力を丸美屋は怠りませんでした。例えば、消費者の味の好みの変化に応じて、味を細かく変えています。丸美屋のウェブサイトによると、のりたまは、玉子の種類を変えたり、塩加減を調節したり、あるときはカルシウムを混ぜるなど、その時代の味の変化に柔軟に対応し、進化を続けているのです。
そして、パッケージ。今回の手のりたまもそうですが、パッケージのデザインも効果的に変化させています。発売当初の濃い緑のパッケージは、色使いが徐々に派手になっています。スーパーが流行り始めた当時に、少しでも消費者の目に届くように工夫をしているのでしょう。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
【広告】大人気のビリーズ・ブートキャンプ!、さぁ1週間で夏本番に備えましょう!
宇宙日本食
早嶋です。
本日の夕食のメニューは、お吸い物・サバの味噌煮・山菜おこわ、そしてデザートに羊羹と野菜ゼリー・・・。って、こちらは全て宇宙食で構成されます。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)で供給する宇宙食の候補「宇宙日本食」を認定しました。認定された食品は、上記の食品を含む29品目で、07年度後半に予定している若田宇宙飛行士のISS長期滞在時の供給を目標としています。
宇宙日本食の開発背景は、ISSに長期滞在する宇宙飛行士の栄養補給やストレス低減が目的で、普段の家庭で食べる食品を開発するとのこと。しかし、そこは宇宙食。宇宙日本食の基準は、栄養成分や品質に加え、宇宙という特別な空間でも耐えられるような厳しい基準がありました。
JAXA作成の「宇宙日本食の開発」資料によると、宇宙食の条件は大きく4つ。1)安全である事、2)長期保存が可能である事、3)衛星性が高い事、4)食べるとき危険要因が発生しない事、です。
何はともあれ、今回、上記の厳しい基準をクリアして認定された食品は12社、29品目で以下の通りです。
「味の素のたまごスープ」
「尾西食品の白飯、赤飯、山菜おこわ、おにぎり鮭」
「カゴメのトマトケチャップ、野菜ソース、野菜飲料ゼリー(トマト、ニンジン)」
「キユーピーのマヨネーズ、白がゆ」
「日清食品のしょうゆラーメン、シーフードラーメン、カレーラーメン」
「ハウス食品のビーフカレー、ポークカレー、チキンカレー」
「マルハグループのサバの味噌煮、イワシのトマト煮、サンマの蒲焼」
「三井農林の粉末緑茶、粉末ウーロン茶」
「明治乳業のアミノ酸ゼリー」
「山崎製パンのようかん(小倉、栗)」
「ヤマザキナビスコの黒飴、ミントキャンディー」
「理研ビタミンのわかめスープ、お吸い物」
今後JAXAは、審査の機会を年3~4回設け、宇宙日本食メニューの拡大を目指すそうです。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
【広告】大人気のビリーズ・ブートキャンプ!、さぁ1週間で夏本番に備えましょう!
百度の思惑
早嶋です。
中国のネット検索最大手の百度(バイドゥ・ドット・コム)は、ソニーの前会長である出井氏を社外取締役に起用したと発表しています(本日のnikkei参照)。
百度のCEO、Robin Li(李彦宏)氏は「出井氏を取締役に迎えられて大変うれしくおもっている。出井氏は企業のリーダーとしての経験を持ち合わせている。出井氏の参加により、百度は積極的に日本での検索プラットフォームを発展させていくことを信じている」とコメントしています。
今回の出井氏の起用は、百度の海外戦略の一環です。百度の海外戦略として、欧米に進出せずに、先ずは日本市場に注力するようです。そのため、今後も日本の役員クラスをヘッドハントして現地化戦略を進めると予想できます。
CENT Japanの記事を参照すると、出井氏の起用は、「百度の国際化戦略の中で重要な一歩となり、日本市場での市場開拓に一役買う」という見方と、「出井氏の就任は日本における百度の知名度を高めるため」という見方があります。
一方、マーケットの反応は出井氏の登用をかっているようです。百度は米ジャスダックに上場していますが、出井氏のニュースが報じられた26日から株価が値上がりを続けています。
さて、ネット検索の百度、中国ではどんな地位にあるのでしょうか?中国の市場リサーチ会社、iResearchが発表している検索エンジンに関する調査リポートによれば、百度の国内のシェアはトップで66.2%、次いでGoogleが21.2%、そして3位はYahoo!で2.9%となっていました。注目すべき点は、百度は毎年シェアを伸ばしており、Googleはほぼ停滞ぎみ、Yahoo!がシェアを落としている状況である事です。これを見る限りでも、中国におけるネット検索は圧倒的に百度が強いことが分かりますね。
さて、この百度、日本語のサービスも開始しています。興味がある方は、百度の検索サイトを覗いて見てください。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
【広告】伊藤忠グループの外国為替専門会社FXプライムの外国為替保証金取引『選べる外貨』の口座開設キャンペーンです。
当社は、資産運用として人気が高まっているFX(外国為替保証金取引)を個人投資家の方々に提供しています。
当社では、情報セキュリティ管理(ISMS)の認証取得や個人情報保護認証「TRUST・e」を取得するなどお客様が安心してお取引できる環境をご提供しています。
BOS分析
早嶋です。
経営戦略の策定のプロセスの中や、経営環境を把握する際に、企業が現在おかれている立場や状況、今後、起こりうる環境変化の分析を行ないます。この場合に行なう最も代表的な手法にSWOT分析があります。
SWOT分析のプロセスは先ず、経営環境を内部環境と外部環境に区分して考えます。内部環境では、自社の経営資源の強み(S)と自社の経営資源の弱み(W)を洗い出します。外部環境では、自社以外の世の中の変化における機会(O)と自社以外の世の中の変化における脅威(T)を洗い出します。
SWOT分析として、上記で終わってしまう説明をする方もいますが、重要な部分は、クロス分析をして戦略を具体化していくことです。具体的には、S・Wを縦軸に、O・Tを横軸にとり、それぞれ以下のように掛け合わせて考えます。
1)自社の強み(S)を発揮できる事業機会(O)で何ができるか?
2)自社の強み(S)で脅威(T)を回避すると何ができるか?
3)自社の弱み(W)で事業機会(O)を取りこぼさないために何ができるか?
4)脅威(W)と自社の弱み(W)が合わさって最悪の事態を防ぐために何をするか?
などです。ビズ・ナビ&カンパニーは、上記のうち1)に比重を置いた考えを重視しています。つまり、事業機会と自社の強みを考えることです。その際にも、必ず先に世の中で起こっている変化や出来事に着目して事業機会を捉える。そして、その事業機会を最大限に発揮するために、自社の強みを活かして、何をするのか?を考えることが大切だとしています。
ビズ・ナビ&カンパニーでは、このような分析をBOS分析(ボス)分析と読んでいます。もちろん、BOS分析のBはビズ・ナビのBです。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
富士山・山開きと機会コスト
早嶋です。
富士山の雪解けが例年より遅れているという報道がありました。例年だと、7月1日に山開きがあり、毎年、これにあわせて富士山祭りの一貫として「富士山お山開き」等のイベントが開催されます。
山梨、静岡の両県の調査では、8合目(約3200m)以上の雪が多く、例年のように、軽装備の格好では、山頂まで行けないとの判断です。富士山の頂上までルートは大きく4つあります。「吉田口」「富士宮口」「御殿場口」「須走口」です。今回は、4つのコースどれもが山頂まで行けないとあり、このような事態は97年以来だそうです。
甲府地方気象台は、残雪が多い理由として、「換気の影響で5月上旬から中旬の富士山頂の気温は例年より2から3度低かった。下旬にも雪が降り、雪解けが進まなかったのではないか」と分析しています。
大学生の頃、富士山8合目の山小屋(白雲荘:3200m付近)で泊り込みで番頭やガイドの仕事をしていました。仕事内容は、山小屋の夜間の管理や、宿泊客のガイド(5合目から頂上までの案内)などです。
多くの富士登山客は、日の出前に山頂を目指し、頂上からのご来光を拝むのが一般的です。そのため、大きく2通りの登山方法があります。
1つは、前日の夜9時頃に5合目(ここまではバス等を利用)を出発し、7~8時間かけて山頂を目指し、ご来光を拝むパターンです。比較的体力のある方や経験がある方は、このように夜中に一気に上ります。登山時間の7~8時間は個人差があり、なれた人であれば4~5時間もあれば頂上に着きます。
もう一つのパターンが、お昼頃に5合目を出発して、山中の山小屋で休憩や仮眠を取り、早朝に山頂を目指すパターンです。私の仕事は、主に団体客を5合目まで迎えに行き、山小屋まで案内し、その後、頂上までガイドする仕事でした。団体客や、体力に自身がない方は、こちらのパターンで富士登山を楽しむようです。
富士山にはじめて登る方は、びっくりすると思いますが、ピーク時は、朝の1時頃より、8号目の小屋の前から、頂上まで行列が出来るほどの登山客でにぎわうのです。
今回の富士登山の山開きが遅れるというニュースは、登山愛好家にとって残念という報道になっていましたが、もっと深刻なのは、富士山で山小屋やお土産屋さんを経営している関係者ではないでしょうか。
と言うのは、富士山の山小屋の稼ぎ時は、6月下旬から9月上旬の90日程度しかないからです。私が働いていた山小屋では、このシーズンに2億から3億円の売上を上げていました。山開きが1日遅れるたびに、1日あたり200万円から300万円の機会コストの損失となるのです。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
投資判断その2
早嶋です。
前回に引き続き、投資判断の話です。多くの企業では、投資判断の指標として、回収期間法を利用しています。こちらは、投資した資金が何年で返ってくるかを計算する方法です。
例えば、次のようなプロジェクトがあったとします。初期投資が500万円のプロジェクトで、1年目、2年目、3年目、4年目、5年目のキャッシュフロー(CF)がそれぞれ、100万円、200万円、300万円、400万円、500万円と予測されるとします。
この場合、2年目までに累積300万円を回収し、3年目で残りの200万円が回収できれば初期投資を全額回収できたことになります。3年目のキャッシュフローが年間を通して均等に回収されると考えると、残りの200万円を回収するのに、0.66年(200÷300)かかります。つまり、500万円全額を回収するのに2.66年必要となります。
投資判断の基準で回収期間が3年だったとしたら、こちらのプロジェクトは実行すると言う判断になります。
回収期間法は、このように分かりやすいということから、多くの企業で今でも使われているのではないでしょうか?しかし、こちらの回収期間法には、大きな問題が4つあります。
1)お金の時間価値を無視している
これは、1年目のお金と2年目のお金を同等に考えているという問題があります。現在価値でもコメントしましたが、時間価値を導入して判断するべきです。
2)回収期間後のキャッシュフローを無視している
上記の例で、回収期間は2.66年となりました。もし、回収期間が2.5年以内であれば、こちらのプロジェクトは無視されることになります。しかし、こちらのプロジェクトは、4年目、400万円のCF、5年目で500万円のCFとCFの増加があらかじめ予測されています。このようなプロジェクトを本当に実施しないのか?と言う疑問が生じるでしょう。
3)プロジェクトのリスクを無視
前回示したNPV法などは、将来発生するCFを割引率で調整する事によってプロジェクトのリスク(将来のCFの不確実性)を反映しています。しかし、回収期間法では、リスクを反映する事ができません。
4)回収期間の基準のあいまいさ
4つ目の問題は、基準そのものの曖昧さです。先の例でも、回収期間を3年とするという根拠は何処にあるでしょうか?
このように、回収期間法は非常に分かりやすい反面、問題点もあります。そこで、通常の事業活動の中で将来をも左右する投資判断の基準としては、上記の問題を十分理解した上で参考程度に利用する事をお勧めします。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
投資判断その1
早嶋です。
企業はGoing concern(将来にわたって、無期限に事業を継続し、廃業や財産整理などをしないことを前提とする考え方)であるという考え方から、投資をしなければ企業価値を高めることは出来ません。
企業が行うファイナンス活動を3つにまとめると、1)資金調達、2)投資判断、3)配当政策となるでしょう。その中でも2)の投資判断は、先にも記述したとおり、現在の投資が企業の将来を左右するといっても過言ではないくらい、重要な判断です。しかし、実際の投資判断の方法は、殆どが回収期間法という考え方に基づいています。本日は、投資判断の決定プロセスについてコメントします。
投資判断の決定プロセスは、大きく次のような流れになります。
1)プロジェクトから生み出されるキャッシュフロー(CF)を予測する。
2)予測したCFの現在価値を計算する。
3)投資判断のための指標を計算する。
4)採用基準と比較して、投資の判断を行う。
代表的な投資判断にNPV法があります。この考え方は、「プロジェクトが将来生み出すであろうフリーキャッシュフロー(FCF)を購入する」ニュアンスです。つまり、判断基準としては、将来のFCFの現在価値よりも低い価格で購入することが出来れば投資する(良いお買い物が出来た!)というルールです。
ファイナンスでは、上記の考えを次のようにおこないます。
次のAとBを計算します。
A:あるプロジェクトが将来生み出すCFの現在価値
B:そのプロジェクトに必要な投資額の現在価値
A>Bであれば、投資OKとなります。
NPV=A-Bとなり、NPV>0となれば、投資を実行するべきという判断が行えるのです。考え方は非常にシンプルですが、多くの企業でプロジェクトのNPVを計算せずに投資の判断が行われているのが現状です。
次回は、多くの企業で行われている回収期間法を考えて、NPVと比較した時の問題点を考えたいと思います。
なお、現在価値等について疑問を持たれた方は、過去のブログで現在価値、個人の賞味価値を参照下さい。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
新奇恐怖症
早嶋です。
「私は最近、消費者が有名ブランドを選択し、そうでないブランドを避ける行動は、動物行動学者が呼ぶところのネオフォビア(新奇恐怖症:未知なるものをさけること)に近いのではないかと思っている。」こちらは、ロンドン・ビジネススクール助教授でマーケティング担当のDaniel G Goldstein氏の発言です(Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 07月号 )。
本紙では、消費者理解のマーケテインングがテーマで、消費者の「新奇恐怖症」について面白い記事でしたので紹介します。
消費者が新奇恐怖症に近い行動を取る例を、次の2つで説明しています。1)航空会社の例、2)ピーナッツ・バターの例。
1)航空会社の例
最近、消費者は自分が知っている航空会社を、聞いたことがない航空会社よりも安全だと信じている事が分かったそうです。ここで注目すべき点は、知っている航空会社が例え評判が悪く、安全記録に問題があり、発展途上国に本社があるという事実を知らされたとしても、ほとんどの方が考えを変えなかった事です。
つまり、「認知度はリスクよりも強力な判断要因」となっている事がいえるのです。
2)ピーナッツ・バターの例
あるピーナッツ・バターの試食テストで、無名のブランドのラベルを貼ったものと有名ブランドのラベルを貼ったものを試食して味の評価を試みました。どちらも中身は同じ味のピーナッツ・バター。
結果、無名ブランドを「おいしい」と評価したのは20%程度、一方、有名ブランドを「おいしい」と評価したのは73%もいたそうです。
上記の事例からも分かるとおり、消費者の行動は単純で、「知っているものと知らないものを選ぶとき、たとえ問題があったとしても、知っている方を選ぶ」となります。そこで、本原則を前提として無名ブランドを消費者に認知させるためにはどのようにしたらよいのか?という事を結論つけています。その方法とは、1)買い手に時間を与える、2)比較対照を示す、3)カテゴリーを変える。です。
1)買い手に時間を与える
新奇恐怖症が起こりやすい状況は、短い時間の中で選択を迫られるときです。つまり、無名なブランドであれば、即決して購買する状況を意図的に避けさせる工夫をすると良いということです。消費者行動論でも、評価・選択のフェーズは重要視されているので理解しやすいと思います。
商店などで応用する場合は、消費者がのんびりと比較検討できるように落ち着いた場所に陳列するなどです。また、B2Bでも、営業活動の早い段階から見込み客のスケジュールを押えて購買部門に顔を売っておくことで知らないといって無視されることが少なくなるでしょう。
2)比較対照を示す
無名であっても有名ブランドとの違いや特徴を一覧できる工夫をすると、認知に頼らない選択をしてもらうことができます。逆に考えれば、比較対照できない場合は、無名ブランドの場合、ブランドの認知度によって購買されなくなるのです。
3)カテゴリーを変える
こちらはマーケティングで言うターゲットを絞ることにもつながります。例えば、大手が乱立するハウスメーカーの中で無名で戦うのではなく、「うちは注文住宅専門です」とカテゴリを絞り込む例です。
正当な理由があればクライアントにとって無名はマイナス要因でなくなるのです。つまり専門化してる事によって、無名でもハードルが低くなります。また、専門化していれば、ライバルも無名が多いので認知度が差別化要因にならないと考える事も出来ます。
旧来の考えでは、ブランドの認知度を高めるために、広告とPRに注力するのが定石でしたが、コストがかかることは否めません。そこで、上記の3つの方法を検討して見たらいかがでしょうか?と結論づけています。こちらの方法は、コストがかからず、営業の段階から実施する事ができるのです。
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
クラブ・マンチェスター
早嶋です。
今日は、近くの定食屋さんで夕食をとりました。ぼーっとしていたせいか、全て食べ終わって、お勘定をするとき、財布を持っていないことに気付き、あわてて取りに返りました。定食屋の女将さん、どうもご迷惑をおかけしました。
さて、去年の9月にタイ軍事クーデターで政権を追われたタクシン前首相が、サッカーの名門、イングランド・プレミアムリーグのクラブ・マンチェスター・シティを約200億円で買収する事をクラブ側で合意したという速報がありました(CNN参照)。
タクシン氏は、サッカー好きという事は知られていました。首相在任時にも上記プレミアムリーグのリバプールの株式を政府が取得する事をを検討していると言うのは知られた話です。
記事によると、タクシン氏は、「クラブの成功のために尽力する」とコメントしているそうですが、クーデター後、英国に拠点を置いて生活をしている身。今回の買収はタイ国民にタクシン氏の存在を誇示する意図もあるでしょうが、汚職で汚職で訴追されていることを考えれば、タイ国民からの強い反発が予想されるのではないでしょうか?
—ビズ・ナビからの広告—
ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?
最新記事の投稿
最新のコメント
カテゴリー
リンク
RSS
アーカイブ
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月
- 2007年2月
- 2007年1月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2005年12月
- 2005年11月
- 2005年10月
- 2005年9月
- 2005年8月
- 2005年7月
- 2005年6月
- 2005年5月
- 2005年4月