
新入社員使える人材
2019年5月6日
安藤です。
仕事は、「一を聞いて十をやる」「少しの気配りが自分の仕事を生む」と以前、教えられたことがあります。哲学者の内田樹氏は、このようなエピソードを書いています。(引用:日本の論点2010:文藝春秋)
あるとき武術家の甲野善紀ほか7人で連れだってレストランに入った内田は、メニューに「鶏の唐揚げ」を見つけた。「三ピース」で一皿だったので、七人では分けれない。仕方なく三皿注文することにした。すると注文を聞いたウェイターが「七個でも注文できますよ」と言った。「コックに頼んでそうしてもらいます」。
彼が料理を運んできたときに甲野は彼にこう訊ねた。「あなたはこの店でよくお客さんから、『うちに来て働かないか』と誘われるでしょう」。彼はちょっとびっくりして「はい」と答えた。「月に一度くらい、そう言われます」。
ほとんどの仕事は代替可能な仕事である。とくにアルバイトなどはそういう面が強い。しかし、自分のできる範囲で気配りや機知を加えれば、それは自分の仕事―だからこそできる仕事―に化ける。と、特にこれからは代替可能な仕事増えていく時代です。
組織の人事担当者から、最近の新入社員は、「気が利かない」「いわれた事しかしない」「段取りが悪い」「感謝の言葉がない」「主体性がない」等、要は使い物にならない・・と相談を受けます。
「使える人材」と「使えない人材」といいます。「使える人材」は、子どもの頃に親の手伝いをした経験があるということも言われています。手伝いの経験と仕事力との関係がどうなのか。子どもの頃から家庭内での一部を指示されて任されているという経験が、コミュニケーション力、段取り力、計画力、問題解決力、最後までやり遂げる力などが自然と身につくではないでしょうか。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
製品が良いだけでは売れない
2019年5月1日
原です。
良い製品を作れば売れると思われている人がいます。
ここで言う「良い製品」とは、「高機能・多機能こそが高品質」とされた製品のことです。
モノが無かった自給自足の時代では、自分で欲しいモノを自分で作りました。自分の期待が満足されればそれで良かった時代でした。
産業革命以降は、専門化が急速に進み、生産者と顧客が分離しました。生産者は自分の技術力を中心に考え、いかに高品質の製品を作り出すかに集中してきました。もちろん、製品の品質が高いのは良いことです。
しかし、良い製品=売れる商品なのでしょうか。
例えば、筆者が若い頃、高品質アロマ製品の開発から学びを得た事例です。
生産者と筆者は、天然の素材を使用し正しく製造すれば売れるのではないかと考えていました。しかし、開発後の商品販売では思うように売れませんでした。
ある催事販売では、アロマファンの顧客から次のような質問を受けました。「どうして私が、あなたからこの商品を買わなければならないの?」。
生産者は、「最高級のフレグランス(香水)を作りたかった。」と答え品質の説明を続けました。そうすると、顧客は、「それだけでは買わない。なぜならば、品質が良いのは当たり前で、私が商品に期待しているのは、私を満足させる商品だけだから。」この言葉に筆者は反省しました。
顧客が商品に期待しているのは、自分たちの期待を満足させる商品であり、生産者が満足している高品質の製品ではないのです。
製品が良いだけでは売れない理由は、とても当たり前のことだったのです。
高品質の製品だけでは売れなくなったのは、時代の流れが大きく関係しています。
20世紀はモノ不足の時代だったので、モノが人々に豊かさを与えてきました。品質の良い商品を持つことがプライドをくすぐり、他人よりもいかに高品質な商品を持つかに多くの人々が熱中していたのです。
しかし、21世紀になると人々の生活圏が広がり、社会生活が多様化し、モノよりも心の満足を求めるようになってきました。
つまり、顧客は製品の品質だけでなく心を満たす商品を求めているのです。生産者が作りたい製品と顧客が買いたい商品には、見えにくいギャップが生じています。
読者の皆様は、顧客から「どうしてこの商品を、あなたから買わなければならないのかと聞かれたら、何と答えますか」。
努力する人としない人
2019年4月24日
早嶋です。
何かに真剣に取り組んで見る。その期間が数ヶ月とか1年とか。人によってはもっとかもしれない。この一生懸命に取り組むことで、結果的に成果がでようが、出まいが、その後のその人の感情や行動は変わると思う。もし、真剣に頑張って結果が出なくても、本人もいい意味諦めがつくでしょうし、その取組は今後の糧になります。当然、成果を出せば、次に続く行動がはじまるでしょう。
もしなんとなく行っていて、結果を出してしまった場合。あるいは、適当に取り組んで成果を出せなかった場合。これはどちらともその人に糧になることは無いと思います。前者の場合は、天性的なものもあるとおもいますが、真摯に向き合うことをしないでしょうし、すぐにボロがでるものです。そして筋が悪いのは後者です。努力をしないから成果を出さないという解釈がただしいのですが、この手の方は、成果を他人や環境のせいにして自分が努力をしないことを反省しません。従って、どのようなことがあっても常に他人任せです。
近年働き方改革などと同時に、会社のリストラに対しても記事がでています。そのなかで成果を出せない社員に対しての解雇についてです。世の中は、なんとなく解雇した会社を悪という印象操作をしているようですが、解雇にも2つあると思います。それはまさに上記のような2種類です。努力するか、努力しないかです。
努力して成果を出せない人は、一定数いることは否めません。上述とやや矛盾するかもしれませんが、成果は自分だけではなく、運や環境やタイミングに左右されることが多々あるからです。しかし、この手の人は常に挽回するために試行錯誤を繰り返すので、本人やチームに対しても良い影響を与えることになります。
一方、努力しない人です。努力をせずに、何事も会社のせい、社会のせい、タイミングのせい、環境のせいという思考に陥っています。自分は何もしていないのに会社からクビを宣告された。という感じです。何もしないで給与を払えるような、生易しい環境ではありません。皆が各々努力しており、それでも成果が出せない人が多いのが世の中です。
今の日本社会は、努力をしない人も努力をする人も何故か平等に扱っている傾向が見とれます。努力しても成果を出せない人は、全力で社会で助ける。というのは理解できますが、努力をしないで社会的な地位を利用してフリーライドするような方々を後方支援するような動きが目立つと思います。
そもそも日本は資本主義の社会なので、この基本ルールは守るべきだと思います。もしも、それが嫌なのであれば、そのルールが適用されない国に行くか、自らそのルールの悪いところを改善するために動くがが筋が通るところでしょうが、何もしない。しかし、不平不満だけは誰よりもする。というのはいかがなものかと考えます。
植物との対話
2019年4月18日
早嶋です。
大の大人に、じわじわと来ている植物ブーム。車好き、建築好き、料理好き、不動産好き、ワイン好き、多種多様な趣味にハマっていた大人の一部が植物にハマっている。なぜだろう。
例えば、仏像。ガンダーラ仏像や日本古来の仏像など、初めは見仏のみだったが、だんだん煩悩がマックスになり、最後は仏欲、所有欲が湧き始める。すると、様々な情報網を駆使して仏のオーナーに掛け合い譲ってもらう。今はネットで検索して仏を見定めてチャットやメールで交渉と媒体は変わったものの基本的な流れは同じだ。しかし続けていくうちに、収集していくうちに気がついてしまうのだ。仏を手に入れた瞬間に満足度がピークになり、その瞬間から次の仏を探し始める。煩悩スパイラルの真っ只中にいることを。
車、お酒、不動産。形あるものはすべて共通で、手にい入れるまでは楽しいのだが、手に入れてしまうと途端に次の物に目移りするのだ。これはジョブ理論で言えば、多くをビックハイアにフォーカスしており、本来のその後、つまりリトルハイアで楽しめないという遊びなのだ。
そこに植物で考えてみよう。大人(ここでは、いい年した男性をメインに指す)は珍しい植物に目を向けている。思うに、探す楽しみもあるけれど、植物を育てるためにはそこからの世話が欠かせない。水やりや日光の当て方、そして気温や湿度、風の管理。多くの植物は、本来日本と違った環境や気候で育っているため、少なくとも少年のような大人が現時点でワクワクする植物の多くは、日本の環境で育てるとすぐに枯れてしまう。だからといって、とてもむずかしいものでもない。少し工夫すると、つまり、その環境を擬似的に再現することで、ある程度の知識をつけながら誰でも長く育てることが出来るのだ。モノと違って、購買後の楽しみが継続するのだ。
ただ、この時点で面倒だ。と思う人は、植物の世界に没頭する大人を理解することは難しいだろう。更に昔から盆栽は大人のたしなみ、あるいはブルジョワのたしなみの一つだったが、今の大人が愛でる種類はちと違う。対象とする植物は和モノではなく洋モノのが多いのだ。しかも花も咲かないし実もならない。だけど、盆栽のように10年単位の変化を愛でるのではなく、一応は乾季や温暖の差での植物の変化を楽しめる。単位として1日とか1週間とかのレスはないが、1ヶ月とか1年以内の変化で十分に楽しめる程度の成長がある。
植物は動物と違って、音声や明確な感情は持たない。したがって、いい距離感を常に保てるのも大人がはまるポイントの一つだと思う。決まったルールで水やりや日光に当てるなどの世話をする。ルーティンやルールを無視した世話をすると、本来の気候を再現できなくなるのことを意味し、植物を枯らしてしまう。しかし、それは2、3日程度のものぐさで枯れるようなやわな奴らではないので、比較的忙しい大人でも時間をかけて、継続的に世話と対話が楽しめるのだ。
世話をしているその瞬間、植物のことしか考えないから、仕事やちょっとした人間関係などの雑念、つまり日常的な仕事やそこに関わる人間関係のストレスから開放される。ある意味解脱した瞬間を味わえているのかもしれない。また北欧的な表現を借りるとヒュッケな時間を得られることになるのだ。植物の価値は、世話や植物との対話の中で自分と向き合う時間や、それを無意識に習慣として生活に取り入れることにあるかもしれない。それが今大人の中でハマっているヒトが続出している理由なのではないかと考察してみた。
クラウドを使ったワーク
2019年4月16日
早嶋です。
クラウドを活用した場合の注意時点として、忘備録として記述します。
* 基本的に、GoogleやDropBoxなど使い慣れたクラウドサーバを活用する。
* ドキュメンテーションを複数人で行う場合。
* 使用しているOSやワードなどのアプリケーションによって、個体差があるかもしれないことを想定してワークを共同する。
* CF)Aさんのマックではずれているが、BさんのWinでは問題ない
* CF)Cさんのワードでは確認できるが、Dさんのワードでは発生している。
* 指示をする場合、双方は悪気は無いが、ついつい、言葉をショートカットして伝えてしまう。受けてによっては、そこから意図しない感情を勝手に読み取ってしまう場合がある。基本はファクトにフォーカスして、感情の部分は意識して外すようにする。
* 時々、リアルとオンライン含め、自由な他愛もない会話をしておく。感情の勘違いを防ぎ、スムーズに仕事がしやすくなる。
* ガチガチのルールは窮屈で、曖昧だと手戻りが多いが、そんなものだと心得て作業をして、適宜改善していく。
小学校
2019年4月15日
早嶋です。
長男の成長とともに、久々に小学校を体験することになりました。
入学式。通うことになる小学校は、地域との関わりが深く、入学式にも地域の民生委員の方々の列席がありました。セレモニーの中で特徴的であったのは、6年生全員が、新入生に対して歓迎の演目があったことです。小学生として過ごすある一日を寸劇で再現し、不安を軽減し、期待をふくらませる演出でした。
6年生のかかわりは、他にもありました。初めて教室に入る新入生に対して、ランドセルを置く場所や、配布物の確認、トイレやその他主要施設の案内などを複数人のチームで細かくサポートしていることです。6年生はリーダーシップを各々発揮して新入生をフォローしています。素晴らしい取り組みだと思いました。
教職員の男女比率を見て感じたことは、今の社会と全く逆で、完全に女性が多いことです。新入生の担任はすべて女性教員で、他の学年をみても男性よりも圧倒的に女性教員が多かったことです。僕が小学生のときは、やはり男性社会だった記憶が強いです。
入学式終了後、小学校、PTAから保護者に対して様々な説明やスピーチがありました。基本的に小学校のプリント文化は、きっと僕が小学生のときと殆ど変化がありません。変わったことと言えば、個人情報の規制がつよくなり、それによって手続きが品雑になっていること。電話番号の共有からメールの共有に変化したこと程度です。
入学後、1週間程度で様々な登録や届け出、入会する必要があるようですが。すべての情報があのわら半紙にかかれており、フォーマットもバラバラ。そして、用紙によっては大きさもまちまちです。説明に対しても、各々の責任者が話、まとまりがない状況。きっと、準備するのもその後の処理をするのもさぞかし手間をかけていることが推測できます。
例えば、すべての資料や提出の基本を電子化して、対応できない家庭を紙ベースにするだけで、入力の手間と提出のミスと集計の手間が段違いで良くなると思います。
入力。来週提出しなければならない資料が山のようにありますが、全てフォーマットがバラバラなので、毎回、子供の名前と保護者の名前を書く必要があります。それから住所なども。資料によっては、どこに記入をする必要があるのかが非常にわかりにくいものも多数です。きっと、入力ミスが多くて手戻りが多いことが推察できます。
提出。基本、学校に提出する際は、当たり前ですが、子供が媒体となって提出します。資料の大きさがランドセルよりも大きな封筒に入っているため、どうやって運ぶのだろうか?と疑問に思う使用も混在しています。また、提出先が資料毎にバラバラなので、提出するところでも混乱とモレが生じるだろうな。と推察できます。
集計。全ては紙ベースです。したがって、プリントを上として保存する。あるいは、誰かが再度入力するという仕事をずっと継続していることを思うと頭がさがります。
これだけ、事務作業が多いのであれば、学校に1人、専属の担当者を置き、基本的な役割は書類や提出物の標準化と管理を行うとすると良いのかな?と思います。ミッションとしては、先生のサポートと事務作業の効率化です。提出物は電子的に管理して、提出の仕方や、電子的な入力の仕方を工夫することをミッションにする。また、この組織は自治体をまたいで、学校共通で把握すべき情報はすべての入力フォーマットやDBを統一化する。とすれば、統計調査の必要性もなくなるでしょう。
役割としては、期限を3年程度にして、その後は、複数の学校あたりに1人の専属を置き、仕事の改善と新たな標準化の提案を進めていく。のような取り組みです。
まぁ、去年も「おなじようにやってきた」からと言って、なかなか制度を変えてこなかったのでしょうが、少子高齢化、働き方改革、生産性革命というこの時代だからこそ、外部の機関の知恵を取り入れて、本来のゆとりある時間を先生たちが持ってくれれば良いと思います。
共感のリーダーシップ
2019年4月2日
原です。
リーダーシップには、ビジョン型、情熱型、コーチング型など多様なタイプがあります。今回は、共感型のリーダーシップについてです。
ハーバード・ビジネスレビュー(2001年3月号)では、部下のやる気を引き出す資質の共通事項として、「自らの弱点を認める、直感を信じる、厳しい思いやり、他人との違いを隠さない」の4つの資質をリーダーが備えていることを記載しています。
1つ目の資質「自らの弱点を認める」は、何かしら弱点を見せることで、近づきやすい人間的な印象を与えることです。
例えば有名な話を引用すると、松下電器産業(現パナソニック)の松下幸之助氏は、「私は、体も弱く学問・知識をもっていなかったから」と周りに伝え、何をするにも皆に相談し、皆の知恵を集めながら経営を継続していきました。
2つ目の資質「直感を信じる」は、世の中の変化の兆しに敏感で「いつ、どのように行動するのか」適切に判断できることです。
例えば、私は大阪商人の元で働きながら夜間の大学に通いました。
大阪商人の社長は、大手流通業会社を退職してから、CVS(コンビニエンスストア)の将来性を感じてコンビニの多店舗展開を行い、CVSの普及から深夜のCVS店舗のお掃除サービス会社を設立し、若者のパン食が増加傾向となればパン屋を開業し、携帯が開発されたら一早く携帯の代理店を展開していくなどを数年で複数のビジネスを事業展開していきました。このような中、「資金があるから可能なのだ」と陰口を言う社員もいましたが、私としては、変化の兆しを掴む直感力とスピード感のある行動力の差が一般の人とは大きく違うと尊敬していました。
3つ目の資質「厳しい思いやり」は、部下の成長のためなら、時には冷酷になることです。
例えば、私は大学卒業後に赴任した職場では、労働保険年度更新事務手続きが最初の担当業務でした。
直属の上司は、私の親ぐらいの女性ベテラン社員でした。
4月1日に入社して直ぐに、労働保険年度更新事務手続きを1人で担当させられました。過去の資料と専門書を読み質問を行いながら、4月1日から約1ヶ月間は残業と休み無しが続きました。
無事に手続きを終えた後に、そのベテラン女性上司が言われたのは、「獅子の子落とし」という諺でした。
「獅子の子落とし」とは、厳しい試練を与え、器量を見極めようとしたということです。
最初は、新人いじめかと思いましたが、この仕事を乗り越えた後、この上司は「私に対する高評価な意見」を職場関係者などの周りに広め、その後も仕事を次々と任せてくれましたし、多様なジャンルの学びを私は受けました。
4つ目の資質「他人との違いを隠さない」は、自分らしさを上手く活かすことです。
例えば、私の母校でもある近畿大学の近大マグロの話です。
和歌山県の近大水産研究所は戦後まもない昭和49年、食料難の時代に食糧増産のため「広大な海を耕す」ことを目的に設立されました。そして、当初から新しい実験場の立上げを任せられたのが熊井教授です。クロマグロの養殖など絶対に無理だと地元漁師から奇人扱いされ、更には学界内からも冷ややかな声を浴びせられました。それでも、「魚のことは魚に学べ。相手は生き物であり、人間の思い込みや決めつけは通用しない。魚に教えてもらえ。」の実践主義の姿勢を貫き、苦闘30年以上をかけて世界の偉業であるクロマグロの完全養殖を達成していきました。
以上ですが、日々のコミュニケーションでは、部下の感情を直感的に感じ取り、相手にモチベーションを持たせるように共感型のリーダーシップを行動で示すことが必要です。
パワハラとモチベーション
2019年4月2日
安藤です。
厚生労働省の労働政策審議会分科会は14日、パワハラやセクハラなど職場におけるハラスメント(嫌がらせ)の防止に向けた対策の報告書を了承しました。企業にパワハラ防止の取り組みを法律で義務付けるほか、セクハラ対策も強化。来年の通常国会に関連法案を提出し、平成32(2020)年から施行する見込みです。
パワハラは近年、相談が急増し、死者も出るなど問題化。厚労省は、働き方改革の一環で成立した労働施策総合推進法(旧雇用対策法)の中に、パワハラを「許されない行為」と位置付けた上で、企業側にパワハラ防止のための雇用管理上の措置を義務付けるとしています。
パワハラについて、上司と部下との認識の違い、離職への影響について、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会では下記の通り報告しています。
■【「怒った(怒られた)こと」とパワハラの関係性について】
怒られた部下が上司に対して「パワハラだと感じる」のは53.8%。
一方、怒った側が「パワハラだと感じている」のはわずか16.7。3倍以上の認識のズレがあります。
■【怒った(怒られた)後の上司と部下の関係性について】
怒られた部下の多くは、その後「業務に支障をきたす」が、怒った側の上司の58.7%は、「特になんとも思っていない」!
■【怒った(怒られた)後の感情の継続期間について】
怒った後の感情の継続期間に明確な差!
怒られた部下の、5人に1人が1年以上引きずるっている!さらに、関係が回復したのは僅か7.6%! 76.9%は昔の関係に戻っていない。
■【怒られ方と離職者について】
怒り方で離職・異動が防げる!?
離職者のうち、57%が上司の怒り方次第で「離職を防げた」と回答。
離職防止だけでなく、“アンガーマネジメント” を学ぶことで、離職を妨げそしてどう生産性に繋げるのか。また、日頃の部下との関係の築き方が基本です。また、なぜ、モチベーションが低下しているのか現状分析も重要です。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
バイト・パートの賃金上昇が生み出す結果
2019年4月2日
早嶋です。
ーー 日本経済新聞 記事抜粋 ーー
オリエンタルランドは1日、2018年度の東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)の入場者数が4年ぶりに過去最高になったと発表した。前年度比8%増の3255万人だった。新エリアの開業などを控え、入場者数は増加を続ける見込み。19年度からアルバイトに業績連動の賞与を支給するなど、人手不足を受けて人材への投資を拡大する。
ーー 2019/4/2 ーー
オリエンタルランドが、業績連動型の賃金をバイトやパートにも適用します。このニュースをきっかけに、パート・アルバイトを含む従業員への働き方に対しての考え方が変化していくと思います。
仕事に関しては、医療や企画などのように、専門的な技能を持つ仕事や、構想力や企画力を駆使してアタマを使う仕事などのような付加価値型の仕事と、ある程度慣れると誰でも一定レベルの作業が行えるような作業型の仕事に大きく分類できます。
付加価値型の仕事は、コンピューターやロボットやAIなど(以下、機械)に置き換えることがなかなか難しく、今後もヒトの手で取り組むことが主流になるでしょう。加えて、ヒトを介在することで、対象である顧客に対してより高い価値を提供できるサービス業などもヒトの手での取り組みが重要になっていきます。
一方、作業型の仕事は、ヒトが行うことでストレスが溜まり、作業効率が悪いため徐々に機械に置き換わっていくでしょう。ただし、この作業が全て置き換わるのではなく、全体の6割から7割り程度の標準的な作業は機械が担い、残りの例外的な処理はこれで通りヒトの手で行うようになるでしょう。
作業型の仕事の多くは2:6:2の法則に従います、例外処理を含む標準的な仕事が2割、標準的な仕事が6割、その他の仕事が2割です。機械は繰り返しの作業などが最も得意なので、この6割が機械に置き換わる対象です。一方、例外処理の2割の仕事は、しばらくはヒトの手で行う選択をしたほうが効率良いのです。したがって、機械とヒトが協業する世界が今後当たり前の景色になっていくでしょう。
現在、多くの業種業界において人手不足が深刻な社会問題になっています。オリエンタルランドの仕事のように、これまで多くのキャスト(オリエンタルランドで仕事に従事する方の呼称)が仕事をしたいと思っていた仕事でも状況は同じです。これまでは特段時給が高くなくても人が集まっていました。しかし、昨今の人で不足により、働きたい人の母数が減っており、オリエンタルランドのような企業でも人を集めるのに工夫が必要になってきたのです。
作業型の仕事ではもっと深刻です。成長期は働きたい人の母数が多かったので、それでも十分に人手が集まっていました。しかし少子高齢化になるにつれて、働く母数が減少するに連れて、人手を確保することが厳しくなります。そのために企業は人件費を上げることで人の確保を行っていました。
しかし人件費にも上限があります。そもそも作業型の仕事は利益率が付加価値の仕事と比較して低く、人件費に転換する原資が少ないのです。それでも人手を確保しなければならない。そのような状況が続くと、企業の選択肢はどちらかになります。廃業含め仕事の規模を縮小する方向か、人手の仕組みそのものを機械化する、あるいは省力化する、あるいは事業モデルそのものを見直すことです。
地方でほそぼそと事業を営む零細企業は、経営者自身やその家族の労働力を充てにして作業型の仕事を継続してきました。しかし、高齢化に伴い、いよいよ仕事を続けることが難しくなります。小さな企業も同様で、これまでなんとか確保できていたパート・アルバイトが集まらなくなり、事業自体が成り立たなくなります。だからと言って、事業モデルを根本から変化するための資本も時間も余裕もアイデアもありません。選択肢は縮小か撤退になります。
一方、業界の中で規模が大きい、ある程度の地位を占める企業は、人件費を増やしてでも人手を確保して事業を継続、拡大する動きを見せていました。しかしある一定レベルの人件費が高騰すると根本的に事業モデルを変える方向に舵を切り始めます。そして今はまさにその過渡期と言えると思います。
ーー 日本経済新聞 記事抜粋 ーー
ローソンは利用客が自ら精算する「セルフレジ」を導入する。4月から始め、10月の消費増税までに全1万4000店で利用できるようにする。店内にあるレジの一部で利用客が専用端末を使って商品のバーコードを読み取り、精算する。24時間営業を見直す声が加盟店から上がるなど人手不足が深刻さを増すなか、店舗運営を省力化して生産性を高める。
ーー 2019/4/1 ーー
例えば、ローソンは全店舗においてセルフレジの導入を今年の10月から開始します。加盟店の切実な問題を規模の経済によって解決するのです。セルフレジの導入と聞くと、従業員のレジ打ちが無くなるイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。セルフレジの対象は簡単な作業のもので、セキュリティや金銭管理を簡単にするために電子マネーやクレジット支払いに限定します。やや複雑な処理などはこれまで通り従業員が行うのです。
ローソンの計画では、それでも1日の平均的な業務の内役3割の仕事、時間にして5時間程度の時間を削減できると目論んでいます。機械とヒトの手を融合した取り組みが始まるのです。
付加価値型の仕事は今後、ますますヒトの教育に投資を増やす方向性に進むでしょう。オリエンタルランドのようにヒトに付随する仕事で、人間が出す付加価値を商品の一部として捉えている企業は、よりヒトの手に価値を見出すようになるでしょう。一方で、大衆向け、一般向けの広く普及する商品に対しては、標準的な仕事は機械がこなし、例外的な処理をヒトがサポートするという仕組みが定着していくでしょう。この取組によって、人で不足を解消して、働いているヒトもより楽に豊かな時間を過ごせるようになるのです。
結果的に規模が大きい組織に務めている従業員は大量の事務ワークや、繰り返しの仕事、誰でもできるけど人が不足しているから自分が行わないと行けない仕事などから開放されるようになります。本来価値を生み出しにくい、しかしそのためには必ず取り組まなければならない作業はすべて機械が行うようになります。ヒトは、機械ができない標準的な仕事のなかでも例外の取り組みや、創造的な時間に仕事を費やせるようになるのです。
ここ数年は過渡期で、考え方によっては機械に仕事を奪われると恐怖心を抱くヒトも居るでしょう。しかし、実際はまだまだ人間しか行えないことはたくさんあり、むしろその部分で活躍できる時代がやってくるのです。作業は時間で管理されるようになり、ヒトしか行えない仕事は結果や質で評価をされるようになる。そのような変化がここ数年で一気にやってくることと思います。
目的と手段の逆転
2019年3月24日
早嶋です。
インドでは産休26週を義務化したところ、思わぬ誤算があったとの報道がありました。インドが2年前、産休制度を強化した後の論争です。一定規模以上の企業に対して26週の産前・産後の有給休暇を義務付けたことで、中小企業やスタアートアップが苦しみ、結果的に、それだったら女性を雇うのではなく男性を雇ったほうが良いということで逆効果が出始めているのです。もともとは、世界に比べて出遅れている女性の社会進出を促す目的でした。世界銀行の資料では、インドの女性労働参加率は27%でせかい平均48%、日本が50%なので低いことがわかります。
大きな組織が産業に口を出すと、思わぬ方向にいくというケースではよくある話だなと思いも、今の日本も同じことがおきているように思いました。もし、急に賃金を1,000円台に引き上げたら、都市部はすでにその近辺なので問題ないでしょうが、地方や零細では人手を使わない方法やクラウドでのアウトソースを活用する方法を真剣に考え始め、結果的には生産性(ここで言えば、労働投下が一気に縮小され)があがる。しかし、雇用の問題はより深刻になる。というような動きがでるのではと考えます。
何かの本で読んだことがあります。昔、それこそインドでコブラを撲滅するために自治体がコブラのアタマを買い取る制度を作りました。するとコブラが増殖したのです。理由は、コブラの首を欲しい業者がコブラを養殖し始めたからです。今度は、コブラの首を買い取ることを止めマングースを放ってコブラを殺してもらおうと考えました。するとコブラは減りましたが、マングースの害が一気に増え始めたのです。
日本に置いて、現在生産性改革が進んでいます。その取り組みで最もわかりやすいKPIは残業の削減です。実際に残業は削減され、KPIも達成していますが、取り組み以前の利益などは維持されなくなった企業を多く観察します。結果的に生産性が上がったかもしれませんが、実質的な経済の寄与はますます下がっていきます。
上記を未来社長塾(http://www.mirai-boss.com/)で議論しています。塾生のコメントでは、イスラエルの話が出てきました。ダニエル・ピンク著のモチベーション3.0の中にあったお話です。イスラエルでの保育園の話です。閉園時間までに迎えに来ない保護者がいるために発生する保育士の残業代がきになっていました。そこで、閉園時間に間に合わない場合は保護者から罰金を取るようになったのです。すると、逆に保護者はお金を払ったから良いよね。となり、閉園時間まで迎えに来ない保護者が一気に増えて、結果的に残業が増えたという話です。
全てに置いて、新の目的を無視して、手段に焦点を当てた失敗事例だと思いますが、問題を認識する思考は非常に重要だと言うことですね。
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