◇初めて社会に出て…
原田です。
20年程前、大学を卒業し、社会人になって衝撃を受けました。それは、やっている仕事の意味がまったくわからなかったことです。
上司から指示は出ます。1日でやるべきことは決まっています。しかし、なぜこういうことをやるのかわかりません。自分の仕事と、周りの仕事とのつながりもわかりません。そして、自分の仕事で、どれだけ利益が出ているのかもわかりません。
社会人になって、1年くらい働いて、少し落ち着いて周りをみることができるようになりました。その時、思ったことは、みんな実はわかっていないのではないか?ということです。みんなわかっているふり(あるいはつもり)をしているだけなんじゃないかということです。
そして現在、社会人になって20年以上経ちました。仕事柄、実に多くの種類の仕事に関わりました。その中で、自分なりにわかったことは、多くの仕事が、みんなのわかっているふり(あるいはつもり)、で成り立っているということです。
◇ビジネスで求められる「わかる」ということ
大企業の中堅社員になれば、人は自分の仕事はわかっていると思います。しかし、そのわかっているは、1)自身のセクションの仕事の手順を覚えている2)実務固有の経験が蓄積されている3)いくつかのフレーズが頭の中にはいっているということです。
1)手順、2)経験、3)フレーズの3つ。この「わかる」が標準的だと思います。仕組みができあがった大企業はこういうわかり方で十分なのかもしれません。
3)フレーズとは、「月末は在庫を減らす」、「粗利は20%確保する」、「歩留り率は98%以上」など職場で一般的によく使われる言葉です。このようなフレーズは多くの職場で飛び交っています。しかし、それは断片的なものです。会社の全体的な構造のなかで、そのフレーズがどういう意味をもつのか、わかっている人は少ないです。
もし、部下が疑問に思って、上司に、「なぜ月末は在庫を減らさないといけないのですか?」と聞いても、納得のいく答えが返ってくることはないと思います。その上司も、かつての上司からそう言われたのです。なので、自身もそう言っているのです。
本来、ビジネスで求められる「わかる」は、全体像を構造的に把握することだと思います。ビジネスの要素と、その要素のつながりでつくられた構造と、その振る舞いがわかることです。
図のような、構造と振る舞いの関係がわかっていれば、ビジネスの生産性を高めるアクションを考えることができます。新たな要素を取り込むことができます。また、他者に対し、相手がわかるように説明することもできます。
◇多くの会社でおきていること
多くの場合、ビジネスの規模が大きくなるに従い、全体像は誰もわからなくなります。わからない人が、組織の上層部に上がり、その下にわからない人が配属されます。ビジネスというシステムの中に誰も知らない空白地帯のようなものがでてきます。そして、その空白地帯は、だんだんと大きくなっていき、業務の断片化が進みます。いわゆるタコツボ化です。
いくら優秀な人間でも、断片化されたシステムのなかではできることに限りがあります。古い体質の大企業であればわかる人は全体の2割以下だと思います。2割の人が何かやろうとしても、8割の人の抵抗にあい、物事は進みません。
複雑化するビジネス環境のなかで、それを補うはずのテクノロジーも、職場のタコツボ化を進めていると思います。なぜなら上の立場の人がわかっているふり(あるいはつもり)をするだけだからです。最新のテクノロジーを前にして、「いや実はわからないんですよ…」とは言えないですよね。これではDX化など進むはずがありません。
◇会社のビジネスがわかること
自社のビジネスがわかることは、かなり大切なことだと思います。自社のビジネスがわかることとは、その全体像を把握するだけでなく、相手に応じてその構造、振る舞いをしっかりと説明できることです。もちろん自社が属する業界の構造までわかる必要があります。
ビジネスの世界では、常に新たなテクノロジーや、流行りの言葉が生まれています。こうした複雑化するビジネス環境の中で、新たな概念をひたすら追いかけるのではなく、まずは自社のビジネスのことをみんなが理解しているか、あらためて確認する必要があると思います。ビジネスを理解するために有効なのがバリューチェーンの概念です。自社だけでなく、顧客、協力会社も含めて描くことで、組織の共通認識を確認できます。
このようなことに取り組みためには、実はみんなわかっていないことに気づく必要がありますが…。
2022年5月9日 のアーカイブ
「わかるということ」 〜複雑な環境に対応するために〜
人生の転機に活用できるキャリア理論
安藤です。
今回は、「人生の転機に活用できるキャリア理論」です。
4月は、社会人としての新スタート、異動、退職、結婚他、諸々と人生には転機に遭遇します。
転機は、結果的に変化を起こした出来事または出来事が起こらなかったことでもあると定義されています。
出来事の定義は、明確でそれが起こった結果、転機につながるものです。最近のEAPでは、就職後、異動後にメンタル不調になる方の相談が増えています。
そこで今回は、シュロスバーグの4Sモデルをご紹介します。直面する「転機」をうまく支援する方法として活用できると思います。
*EAPとは、EAPとは、メンタルヘルス不調の従業員を支援するプログラムのことです
シュロスバーグの4Sは、「状況・自己・サポート・戦略」の4つに分かれています。
まず、状況は、人はそれぞれ固有の出来事を経験しています。以下の質問をすることで内省を促します。
① どのような出来事が今の状況につながっているか
② 転機のタイミングはどのようなものか
③ 重要な(役割の変化)はあったか
④ 転機による相談者の体験は、どのようなものだった
⑤ 相談者は、(他のストレスも同時に経験)していますか
2つめは自己です。個人の特性です。心理的資源の要素・レジリエンスの要素が含まれてあります。
① 将来、自分はどうしていきたいと思っているのか
② 自分の人生にとってこの転機はどういう意味があるか
③ 転機に自分のスキル、経験は活かせるか・仕事やプライベートのバランスをどう考えているか
④ 変化への対応能力はどの程度ありそうか
3つめはサポートです。転機の最中に受ける支援です。自分が必要とする支援をしてくれる人はいるか?(上司・同僚・家族など)
① この転機によってこれまで得られた支援の機会が得られるか。または減ってしまう支援はあるのか
② 必要な知識・情報を得る手段はあるか(人脈など)
③ 精神的な支え、励まし、応援してくれる人はいるか
④ 必要となった場合、経済的支援など支援が得らえるか
4つ目は、戦略です。状況を変える戦略、状況の意味を変える戦略、そしてストレスとうまくつきあう戦略です。
① 転機への対応として考えられる手段/方法はできる限り検討したか
② 転機の持つ意味について多視点で捉えてみたか
③ 転機による精神的なストレスの軽減を検討しているか
転機にある多くの人は、転機の痛みを抑制するために不健康な方法を用います。また、過剰な怒りを抱いたり、うつ症状に陥ることもあります。
このような苦痛の一部を軽減するためには、上記の4点から傾聴していくことをお奨め致します。
何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。
【動画】イノベーションWS(QTnet様向け)
本ページはQTnet様向けのページです。
イノベーションワークショップに参加される受講者の方は、当日のワークショップ用の基礎的なインプットを事前に動画で学習した上で参加下さい。なお、視聴する順番は、 1日目は1)から3)の順番で視聴ください。2日目は4)5)の順番で視聴ください。
(Day1の前までに視聴する動画)
1)新規事業の基礎(40分)
本動画では、新規事業を立ち上げるまでの流れを確認頂きます。アイデア⇒ビジネスモデル⇒ビジネスプランの流れで説明しています。皆さんがゼロから新規事業を立ち上げるとしたら、「どのように活用するか?」と想定しながら視聴ください。既に流れを把握している人は2倍速でも大丈夫です。
2)戦略思考の基礎_5_環境分析(18分)
本動画では、アイデアの厳選である自社の強みの分析や事業チャンスの分析の仕方を確認頂きます。新規事業の基礎で、アイデアは強み✕チャンスと解説しています。その強みや事業チャンスをどのように見つけるかについての補足的な説明です。解説している内容を御社に当てはめて視聴すると良いでしょう。
3)イノベーションの開発(20分)
本動画では、そもそもアイデアをどのように創出するかについて解説しています。アイデアは異なる概念同士の組み合わせで出てきますが、その考え方を整理しています。実際に自社の強みを考えて、皆さんが想定する事業チャンスをイメージして視聴すると聞きやすくなると思います。
(Day2の前までに視聴する動画)
4)デザイン思考の基礎_概要(30分)
初めての取り組みや、新しい事業に対しての取り組み方やマインドを理解するために視聴頂きます。観察、創発、試作の概念を繰り返しながら新記事業に仕上げるイメージを持って頂きます。
5)デザイン思考の基礎_観察(27分)
デザイン思考で重要な観察のフェーズについて詳細を説明します。新規事業のアイデアを出す際や、出したアイデアを実際にMVP等を活用して顧客に使っていただく際に観察の視点は非常に重宝します。
6)規模の推定(50分)
本動画では、市場規模や想定する事業金額の算定の際に役に立つ考え方を理解すために視聴頂きます。ご自身が今持っているアイデアを実現した場合の市場のポテンシャルは「どの程度だろうか?」を意識しながら視聴ください。
Day1のワークショップはオンラインで実施します。事前動画の内容をベースに、QTネットの強みの抽出、事業チャンスとそのアイデアのブレスト、ピクト図の作成とビジネスモデルキャンパスの作成等を実際にグループディスカッション形式で取り組みます。
Day2 のワークショップは対面形式で実施します。事前動画とDay1の議論、及び事後課題をベースに、ビジネスモデルキャンパスのブラッシュアップ、観察の補足説明、試作とテストマーケティングの補足説明とワーク、上層部への提案等をグループディスカッション形式で取り組みます。
両日ともワークショップを始める前に、Q&Aの時間を確保していますので、動画を視聴していて不明な点等がありましたら当日、ご質問ください。では、実際のワークショップで議論することを楽しみにしています。
(補足動画)
新規事業の立案や既存事業の見直しにおいて、ジョブ理論の理解を推奨しています。こちらの動画は、必要な方は参照下さい。早嶋聡史のYoutubeチャンネルのリンクを共有しています。
(ジョブ理論の概要)
(ジョブ理論の有用性)
(改めてジョブ理論を考える)
(ジョブ理論の実践活用)
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