トラフィック・ビルダー

2008年5月12日 月曜日

早嶋です。



本日は長崎で商談で、そのままトンボ帰り。



目玉トラフィック・ビルダー(traffic builder)とは、流通業における客足を集めるための集客用のプレミアムを指します。顧客吸引のために、その販路において顧客から特に購買価値が高いと認識される商品です。



トラフィック(交通)を作るという意味が示すとおり、その商品を購買する事によってトラフィックが増し、ついで買いを促進する商品がトラフィック・ビルダーです。



この考えは小売店におけるロス・リーダー(loss leader)に由来しています。例えば、スーパーマーケットでは目玉商品である激安卵はロス・リーダーに相当します。仮に卵の販売価格が原価ぎりぎり、或いは原価割れでも、卵を購入した顧客は他の商品も購入するため、マーケット・バスケット全体では元が取れる可能性が高い!とした考え方です。



ロス・リーダーとなる商品は来客数を増やして全体として利益を拡大するが、例えば卵自体は負のマークアップ(原価割れ)で損失を生むこともあるので、ロス・リーダーと呼ばれるのです。



ロス・リーダーの事例は身近に沢山あります。例えば、玩具屋さんが安売りするオムツ。玩具店は一般的に購買単価は高いとされますが、来店頻度はそんなに多くありません。そして、来店が週末やクリスマスシーズンに集中するといった傾向があります。



そこで、日常的に使用するオムツをロス・リーダーにする事によって、オムツ購入者の来店を促します。オムツ購入者は、子供連れで来店する確率が高いため、一緒に来た子供が「買って!」と玩具を欲しがって購買につながる可能性も出てきます。オムツでおびき寄せて来店頻度を増し購買につなげる、典型的なロス・リーダーの事例です。



例えば、居酒屋さんのはじめの1杯100円。これも典型的なロス・リーダーの例です。特に、18時までの来店の方に限り、はじめのビール100円!などは、上手いものです。開店してからすぐに客席の回転率を上げるために、ビールでお客さんを引き寄せる作戦です。



ロス・リーダーのように価格が安いから!という理由以外にも集客するためのツールとして考えられる商品があります。こちらは、トラフィック・ビルダーになるわけです。例えば、コンビニにおけるトラフィック・ビルダーは弁当です。コンビニの弁当は価格的に安いとはいえませんが、価格の魅力以上に味やバラエティーに富んでいます。コンビニで弁当を買いに来れば、ついでに飲料やタバコなどを買うことが想像できます。この点で、コンビニにおいて弁当はトラフィック・ビルダーとしての位置づけをしている店舗が多いのです。



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