死ぬまで働こう 〜1986年のイーストウッド〜

2022年7月7日 木曜日

◇老後は実在するか?
 
原田です。

「他人はあなたの歴史に興味がない」。坂東眞理子さんの言葉です。下記の記事を読んで、本当にその通りですと思いました。

坂東眞理子氏 「70代はコンビニでも介護施設でも働くべき」
https://www.news-postseven.com/archives/20190408_1347759.html?DETAIL

それで思うのは人生に老後なんて本当にあるのでしょう?いつから誰が決めたのでしょう?年金暮らしなんて無理ゲーなのは、綿密にシュミレートしなくてもわかります。

 年金暮らしをしても、真綿で首を絞められるようなものです。収入は変わらず、出費だけが増えていきます。日常で様々なトラブルが発生し、予定外の出費が発生します。家にいれば、1日何もすることがなくて、将来のことを考えて、不安になると思います。そんな生活がハッピーでしょうか?

 老後というものを自明のものにして考えるので、多くの人の人生はおかしくなるのだと思います。老後をどうしようかと逆算して人生設計しても、不確定要素が多すぎます。考えても考えても不安しかないのです。
 
 僕は本気で死ぬまで働きたいと思っています。老後という概念をなくせば人生はスッキリです。老後という概念は、日本人が高度成長期にかけられた呪いのようなものです。そんなものは最初からなかったとことにすればいいと思います。

◇仕事はなんでもいい

 他人に害を与えず、人の役にたてば、仕事はなんでもいいです。僕はそう思っています。もし、僕が、今の仕事は無理だってなったら、何か別の仕事をします。年齢に関係なく、今できる能力で仕事をします。
 
 世間を見渡せば、高齢で楽しそうに働いている方はたくさんいらっしゃいます。肩書きとか、立場とかにこだわらなければ、働くことは楽しいことだと思います。スポーツジムでバーベルを上げるのと、軽めのダンボールを上げるのと、何が違うのでしょうか?ダンボールを上げれば、お金がもらえます。人の役に立ちます。

 でも多くの人は働くことよりも、肩書き、立場に喜びを見出しています。なので、定年になって何をすればいいのかわからなくなるのだと思います。「人生の○園」とか、都合よく編集された番組を観て、自分もこういうふうに人から見られたいと思います。

◇経営者のセカンドキャリア

 世間的に高齢と言われる年齢になっても、新しいことに挑戦し、活躍されている方はいらっしゃいます。まずは経営者の方の事例です。経営者に定年はありません。しかし、多くの経営者が、それまでの地位を捨て、新しいことに挑戦しています。そして、その挑戦が楽しそうに見えます。

 ジャパネットたかたの創業者である高田明さんの日経新聞の「私の履歴書」と「高田明と読む世阿弥」を読んで、素敵な生き方だなと感じました。早々に事業をバトンタッチし、会社との関わりを断ち、第二のキャリアを始めています。その第二のキャリアの方がワクワクさせられます。

 僕は、ジャパネットたかたを利用したことはないし、現役時の高田さんのテレビも観たことはありません。でもこの著書「高田明と読む世阿弥」は何回も読みました。おすすめです。
 
 経営者であれば、ブックオフの創業者の坂本孝さんは、72歳で俺のフレンチ・俺のイタリアン株式会社を設立しています。すかいらーくの創業者の一人である横川竟さんも76歳で、高倉町珈琲1号店を出店し、翌年株式会社化しています。

 70歳を超えても、現役バリバリで、事業を立ち上げる力があります。しかも楽しく。

◇生涯現役 理想的な生き方

 次に僕の究極のロール・モデルであるクリント・イーストウッドさんです。

 小学生の頃に映画「ハートブレイクリッジ」を診て、ハイウェイ軍曹かっこいい!!って感じてからのファンです。

 映画「ハートブレイクリッジ」は、1986年公開です。監督・主役のイーストウッドさんの演じるハイウェイ軍曹は、定年を間近に控えた現場叩き上げの海兵隊です。この頃、すでに55歳くらいです。ハイウェイ軍曹は、タフで、頭が切れて、反骨心があって、経験豊富で、凄腕で、仲間思いで、やさしくて、というキャラクターです。でもバツイチで、酒癖が悪くて、私生活では問題ばかり、組織にもなじめず、上司からは目の敵にされるという愛すべきキャラクターです。

 それから約30年後、2015年、アカデミー賞を受賞した映画「アメリカンスナイパー」が公開されます。イーストウッドさんは、84歳です。この年齢で、これだけクオリティーの高い仕事ができます。
 
 そして2019年、映画「運び屋」を公開しました。監督と主役をこなしています。主役は、なんと90歳の設定です。ここでもイーストウッドさんは、相変わらずイーストウッドさんです。タフで、優しくて、反骨心があって、私生活は問題だらけです。それを観て、やぱっりかっこいい!!と感じます。

 イーストウッドさんは、変化の激しい映画業界のなかで、最後の大型恐竜のように悠然と我が道を進んでいます。平気で賛否両論の作品も作ります。つくづく、人間の成長は年齢に関係ないのだなと思います。

 最後に、この映画(運び屋)のラストシーンは素晴らしいと思います。何らかの形で死ぬまで働きたいと思いました。



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