脱コモディティ化

2008年2月15日 金曜日

早嶋です。



1杯分のコーヒーで、豆だけの値段だと1円~2円くらいでしょうか。

1杯分のコーヒーで、包装された豆の値段だと5円~25円くらいになります。

1杯分のコーヒーを、サービスとして提供すると150円~250円くらいになります。

1杯分のコーヒーを、コーヒー体験として売ると250円~500円にもなります。



もう、お分かりですね。上記は、コーヒーを煎れるサービスという150円~250円の価値だった市場を、スタバでのコーヒー体験に引き上げたことによって価値を2倍以上に高めた成功例です。みごとコーヒーのコモディティ化を脱却したのです。



スタバは自分たちのことを「サードプレイス」と称しています。家庭が「ファーストプレイス」で職場が「セカンドプレイス」、そしてスタバを第3の空間として位置付けたのです。



そのため、蕎麦屋などが店の回転率を重視しているのに対して、スタバは長く居てくれることによってホッとして癒される、仲間が集まって、さらに売上があがる、という発想を持っています。脱コモディティ化の発想はまさに逆転の発想なのです。



多くの日本企業はコストを下げることに注力してきました。そしてその行動が、あたかもイノベーションのエッセンスであるかのように思い込まれていました。しかし、スタバの事例のように、顧客は価値を認めてくれればお金を払ってくれます。企業が持続的に収益を上げ続けるためには、WTPを上げるか、コストを下げるかのどちらかになります。



コストを下げるとコモディティ化が進み、コモディティ・ヘルに陥る。ならば、WTPを上げるという方向に発想を転換するのはどうでしょうか。案外、イノベーションの宝の山が眠っているかもしれません。



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