経済は動いている

2021年6月15日 火曜日

◇未曾有の好景気…だったかも

原田です。

もしコロナ禍がなければ…、今は未曾有の好景気だったかもしれません。理由は3つあります。それは、「AI-クラウド-5G」、「脱炭素化」、「東京オリンピック」です。

まず一つは、5Gの普及により、「AI-クラウド-5G」という次世代要素技術のトライアングルが完成したことです。あらゆる製品・サービスが、センサーを通じてクラウドとつながっていきます。そしてデータは蓄積され、製品・サービスはAIによって最適化されていきます。このことは世界的な半導体不足の原因の一つです。さらに新たな機能を持った半導体の開発、そして、半導体製造装置への投資がさらに加速しています。この動きはこれからも長く続くと思います。

次に、世界的な「脱炭素化」への動きと、それに伴うインフラ投資です。日本は、2040年までに、30ギガワット〜45ギガワットの風力発電を確保する目標を掲げました。あわあて日本国内で電力の広域運用を実現する配送電網の整備の構想を掲げました。取り扱いが難しい水素関連のインフラ投資も進んでいます。エネルギー関連のインフラ投資は設備だけでなく、システム、運輸、保守など関連する業界にも需要を作り出します。これは日本だけでなく世界的な動きです。さらに「脱炭素化」は前述の「AI-クラウド-5G」という要素技術の確立とも結びついています。一昔前のように、人が電力の需要を予測して、発電所の火力を調整するということはありません。AIがセンサーを通じてデータを集め、電力を最適に振り当てることができるということです。無限に近い組み合わせの中から一瞬で最適解を得ることができます。一昔前、太陽光発電が脚光を浴びたとき、再生エネルギーがメインになることについては懐疑的な声が多かったです。でも今はそのような声は聞きません。

最後に「東京オリンピック」です。何事もなく開催できていれば、上記の2つにあわさって、国内の景気は最高潮だったと思います。国内は日本人だけでなく、海外からの旅行客で賑わっていたでしょう。

◇将来のことはわからない

テレビのニュースを見ると、「コロナ」、「コロナ」で同じことを繰り返しているように感じます。実態がわからない数字の羅列と、政治家のパフォーマンスと、その批判がひたすら繰り返されているだけのように感じます。もう誰が、何を、どうしているのか、わけがわからない状態です。まあ、みんなそうなのだろうと思います。今の緊急事態宣言のなか、医療関係者や、影響を被っている事業者の方々は本当に大変だと思います。

コロナ禍でなくても、基本的に将来のことはわかりません。しかし、仮にコロナ禍が終着すればどうなるでしょうか?個人的な予測ですが、企業活動に関わる消費はもとには戻らないと思います。不必要な出張、会議、研修、接待などは減少すると思います。一方で、消費者関連の消費、特にレクリエーションに関することは、戻るだけなく、大きなリバウンド、そして新たな需要の出現があると思います。

◇これからのこと

コロナ禍の状況でも「AI-5G-クラウド」×「脱炭素化」という流れは進んでいます。テレビは危機感をあおるニュースばかりで、世の中は自粛ムードに包まれています。一方で経済活動のコアは大きく動いています。

さらにこのコロナ禍のなか、世界的な規模で人々の「認識の変化」が起こりました。これまで必要だと思っていたことが必要でなくなり、今まで必要でなかったものが、必要だと思うようになりました。新たな生活様式が生まれています。このような変化が世界的規模で、同時に、短時間で起こることは、歴史的にもかなりまれな出来事です。

「AI-5G-クラウド」×「脱炭素化」×「認識の変化」。この流れは世界的に大きな変化を、そして新たな需要、多くのイノベーションを生み出します。もしかしたら、これから未曾有の好景気を迎えるかもしれません。



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