EAP活用について

2021年6月2日 水曜日

安藤です。

EAPは、Employee Assistance Program(エンプロイーアシスタンスプログラム)の略称で、従業員支援プログラムです。米国でのEAPへの相談内容は、精神疾患・ストレス・人間関係・キャリア問題・ナンシャル問題など幅広い問題に拡がっています。日本では2000年に公表された「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(「労働者の心の健康の保持増進ための指針」に改訂)」でEAPが事業場外資源として取り上げられ普及しました。 パフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高める要因(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)への取り組みも行います。どのような問題に対しても、社員と組織の両者のパフォーマンスの改善・向上を最終目標として対応しています。

一般的には、EAPは専門家によって下記の2つのサービスが提供されます。
・職場の生産性、健全な運営の維持及び向上、またその組織ニーズの提言をする            
・人間の行動とメンタル上の健康に関する専門家のノウハウを通じてサービス行う
(1)生産性に関わる提言を行い、(2)従業員をクライアントとして個人的な問題の整理や解決を援助します。個人的な問題は、健康(ウエルネス)、メンタル、家族、経済問題(借金など)、アルコール、 薬物、法律、感情、ストレス、など仕事の結果に影響を及ぼしうる様々な問題を意味します。
その項目はその組織の生産性に関わる問題やクライアント従業員の仕事に影響を及ぼしうる問題に個別に提言するアプローチです。具体的には下記の内容があります。
1.コンサルテーションを通じて組織のリーダーが問題のある社員への関わり方、職場の改善について、 あるいは社員のパーフォーマンス向上に有効な援助(サポート)や訓練を行う。
2. EAP利用促進を活発に推進する。対象者は従業員、その家族、そして、組織(課、グループ等)
3.個人的な問題により業務遂行に支障がでそうな従業員に対して、守秘義務を守り、タイムリーに問題の確認/アセスメントサービスを実施する。
4.業務遂行に影響の出ている従業員に対して建設的直面化、動機づけ、短期的介入を提供。
5.診断、治療についてはリファーを行い、援助、フォローアップを行う。
6.問題行動(アルコール、薬物、精神疾患、感情問題等)に関して医療保険等でカバーできるように顧客組織や従業員にコンサルテーションを行う。
7.組織の業績や個人の仕事ぶりに関わる効果の評価、見直しを行う。
最近の傾向として、EAPの現場で感じることは「コロナ禍で業務のやり方の変更など仕事量が増えた、オンライン化が進み会議が増え仕事時間が長くなった、仕事以外でのコミュニケーションが少なくなり業務のことで相談しにくい等」のメンタル不調の増加、また、30代~40代の方はキャリア形成についての悩みなど多岐にわたります。EAP外的資源活用は、パフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高める要因(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)をサポートすることで、組織と個人の発展に繋げられると考えます。

私毎で恐縮ですが、この度、国家資格キャリアコンサルタント1級技能士(国家資格キャリアコンサルタント
指導者レベル)を取得しました。メンタル・キャリアの統合面でEAP活動の幅を広げるだけでなく、企業内でのキャリアコンサルタント取得の方々・目指していらっしゃる方の指導、また、資格に関わらずキャリアコンサルタント育成を検討されている場合は、お声かけ頂けたら幸いです。気軽に弊社にご相談くださいませ。



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