無意識のアウトプット

2021年4月5日 月曜日

早嶋です。

「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」の中に面白い記述が有りました。紹介します。

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「私は寝る前に、仕事に必要な資料を全て読み込みます。ただ読み込むだけで何も判断しません。アタマで判断しようとすると眠れなくなってしまうからです。まずは情報のインプットだけを行い、インプットが終わる、「明日起きたらこの問題の回答を得なければならない」と思って眠りにつきます。すると、翌朝目が覚めたらアタマの中に回答が出来上がっています。眠っている間に脳がどのように働いたのか、私にはその仕組はわかりません。」
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コンサルの仕事で独立して15年程度経過しました。おそらく起業した当初、上記のようなニュアンスを先輩コンサルやベテラン経営者から多数教えて頂いた記憶があります。が、当時の私には到底理解できない内容でした。しかし、たしかに今は同じようなことを繰り返してアウトプットをしています。

コンサルの仕事の場合です。仕事の依頼を受けた後です。顧客手動ではなく自分手動で早めに成果の提出期限を決めます。例えば2週間後に顧客が希望している場合は、1週間を目処にアウトプットを作成します。そして一定の情報インプット期間を確保します。例えば3日間とか。そして、顧客のペインに対しての解や方向性を探ります。情報インプット期間は、上記の説明同様に「これだ!」と答えを決めるのではなく、可能性の1つとして様々な方向性を考える程度に留めます。そして期間が近づくと、ある程度の方向性や自分なりの解決策のアイデアを整理します。その際は意識的に出てくるのではなく、ふとした瞬間に浮かんでくる感覚です。多くは朝目覚めた瞬間に浮かび上がっています。そのため私の場合はその内容を忘れないようにメモに書き込み、出社してから1時間程度で情報を整理して成果物を完成、提出する。という流れです。

企業研修の場合です。やはりクライアントや営業担当から顧客のペインや社員に対して提供したい内容についてのブレストをした後、コンテンツと研修の前後の流れを考えます。企画を提出する際もやはり自分手動で時間軸を決めて早めに提出します。研修の場合、私は事前の資料作成と当日の研修の前後の設計と流れが固まれば、後は難なく行うことができます。そのため上記のアウトプットを整理することが最もクリエイティブな仕事になります。やはりいきなりアウトプットを作るのではなく、その関連の資料や分野の情報を一定期間集める時間を確保しています。繰り返し行っているトレーニングでも、状況が変わったり参加者の事情により理解度合いが異なるのでインプットの時間は結構大切にしています。しかし、その際は、1つ1つ整理することはせず、シャワーのように脳にインプットを入れ続けるようにしています。そしてやはり提出する日が近づいて来たとき、或いは企画を整理するスケジュールの前日頃に大きな流れやヒントがアタマの中に浮かんできます。そしてその内容をメモしてアウトプットを仕上げるのです。

と私のかってな2つの事例を考えて見ましたが、「なんかAIを設計する際の教師データに相当する作業が一定期間の入力になるのかな?」と考えてしまいます。その一定期間の教師データの入力に対して、あまりにもロジックを明確にしたり、方向性を明らかにした上での情報入力だと、当初あった答えの通り収集して解を出しますので、そのインプットをがあまり影響しません。したがって、入力する際は、「あまり何も考えずにガンガン入れていくイメージが良いのかな?」と思うのです。

そして期日を決めて、その日に整理するという意識が働いていれば、後は脳が柔軟に対応するという荒業を使えるようになると思います。ただこれは一定の訓練の賜物で、ある時期に数年くらい徹底的に入力と出力を繰り返し量稽古した結果の能力だと思いますので、何も修行をしていない場合は上記は役に立たない情報だと思います。

こう考えると、一定の経験を積むと余裕が出てくることに対してもうなずけますね。常に全力投球してもアウトプットレベルが高まるわけではなく、アタマを休息する、余裕が生まれているときにこそ創造的な何かが出てくるものなのでは無いでしょうか。そのために遊びと仕事をメリハリ持って取り組むことが人生の後半には大切になってくる。

思考をベースに商売をする人々は、思考を使わない無意識の世界に重きを置くことが今後のポイントになるのでは無いでしょうか。ちょっと強引ですかね。



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