後知恵バイアス

2007年12月21日 金曜日

早嶋です。



連休前の金曜日、冷たい雨がしとしと降っていますが、ハッピーに過ごされていることでしょう。



さて、次のような経験はありませんか?何らかの事象が起こってしまった後に、「そうだと思っていたんだよね!」とか、「そうなると初めからわかっていた!」などと言う、あるいは聞く、です。自身で体験しないまでも、他人が言っているのは聞いたことがあるのではないでしょうか?



これは、後知恵バイアスと呼ばれます。結果を知ってしまってから、あたかも事前にそのことを予見していたかのように考えてしまうバイアスです。この概念は、以前紹介したヒューリスティックのうち、利用可能性ヒューリスティックが引き起こすバイアスだといわれます。つまり、ある事象が出現する頻度や確率を判断するときに、その事象が生じたと用意に分かる事例を思い出して、それに基づいて判断することです。



後知恵バイアスに関して次のような実験で確認されています。一定の被験者に対して、「アガサクリスティーが書いた本は何冊ですか?」という質問を投げかけます。このときの平均値は51冊。後日、被験者に正解の67冊を知らせ、自分がした予測を思い出すように言ったところ、その平均値は63冊になったのです。



結果を知ってから、正解により近い予測を行ったと考える人が増えたのです。ある事態が起きた後は、そのことが事実として印象に残り、事前に予測していた内容を過大評価するのです。



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