やる気のコントロール②

2020年4月8日 水曜日

早嶋です。

外発的動機づけと内発的動機づけを部下の営業成績に例えてみます。受注につながる行動に対して営業マネジメントが褒める、あるいは叱るというアメとムチで部下をコントロールします。部下は仕方なく営業活動に力を入れようとするでしょう。

伸びる部下は、次第に自分は良い成績を取り褒めてもらいたいという想いが強くなり、商品知識や顧客情報を積極的に分析して成績をあげようと努力をはじめます。更に、そのよな取組や過去の事例を研究しては実務に生かしていく取組を進んで行うようになります。

部下は、営業以外にもプライベートの生活を充実することや他の活動をしたいという欲求も生まれてくるでしょう。しかし、営業成績を高めるためにもっと頑張ろうという気持ちが強くなるかも知れません。すると徐々にココロの葛藤そのものが薄れていきます。その結果、みずら営業活動に専念して自分の成績を高めること自体が一定の快楽状態になるのです。つまり内発的動機づけの状態にたどりつきます。

ここからがポイントです。一定期間、内発的動機づけが自分の中に身についた時に、ご褒美によって、急にやる気を奪うことが分かっています。

1971年、米国の心理学者エドワード・デシの実験です。大学生24名を2グループに分けて当時流行した立体パズルに3日間取り組んでもらいます。立体を組み合わせて、様々に形を作るゲームです。

1日に30分のパズルセッションを2回行います。その間8分間の休憩を取ります。実験の目的は、この休憩時間にどのくらいパズルを続けているかを見ることが目的でした。休憩時間に続ける傾向によってパズルへのやる気を計測しようと考えたのです。

2つのグループは基本的には同じ条件でパズルに取り組んでもらいます。ただし片方のグループには、2回目の取組に対してパズルの完成に対して一定の金銭を提供する報酬を与えます。そしき金銭の報酬は2日目のみで、3日目は報酬を与えない設定で実験を行いました。

結果、金銭的報酬をあげたグループは1日目より2日目のほうが休憩中の取組が長くなったのですが、3日目はその取組が減少したのです。一方、はじめから報酬がなかったグループは1日目より2日目、2日目より3日目と休憩中に取り組む時間が長くなったです。

ここからわかることは、自発的に行った取組に対して、報酬を与えて行動を強化させようとする取組は逆効果になるということです。自発的な取組が、ある時、外部から報酬をもらうことで、行動の目的が報酬を得ることにすり替わってしまうのです。従い、報酬が得られ無くなると行動を抑制する動きに変わっていくのです。

やる気がある人に対して、報酬が余計なものになる場合があるということです。



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