一人2極化

2007年9月2日 日曜日

早嶋です。



先般より、消費の一人2極化に対してコメントをしています。このような消費者主権、しかも人によって購買動機が異なり、不確定要素が多い消費者行動に対して、自社の商品やブランドで成功を収めるために、企業サイドで取るべき4つのポイントを紹介します(参照:なぜ安くしても売れないのか―一人二極化消費の真実)。



1)価値計算ロジックの変わり目と変化の方向を読み解く

2)安くてもとんがり・こだわりをつくる

3)消費の楽しみ、選ぶことの楽しみを残す

4)安心、信頼できるブランドになる



です。



1)価値計算ロジックの変わり目と変化の方向を読み解く

自分の子供を有名私立の小学校に通わせるために、普段の生活費を抑える。このように、ライフステージの変わり目に伴って、家族、あるいは個人が最も大切にしているモノは、そのときの価値観によって大きく変わります。



上記のように、あるときから教育費が支出の中心になると、手ごろな品質で安価な食料品や雑貨を買える店やブランドが大切になります。このように、ライフステージの変わり目に生まれる大きな潜在ニーズの塊を捉え、その背後にある問題を深く理解して、その問題を解決する事ができるという商品を効果的にメッセージとして届けることが大切な行動になります。



2)安くてもとんがり・こだわりをつくる

安いだけではない、プラスアルファの価値。著書の中では、限られた所得の中でクレジットを使い、そのポイントをNGOへの寄付へと充てる消費者が特集されています。コードの支払いで社会貢献することに意味を見出す消費者もいるのです。

ただ単に価値が安いのでは、もはや消費者が飛びつく世界ではなくなっているのです。



3)消費の楽しみ、選ぶことの楽しみを残す

これは、購買体験を重視する事です。例えば、しまむらやマックハウスと比較して、ライトオンは比較的オシャレな店作りをしています。品揃えや価格帯はともに近いですが、買い物の楽しさを重視しているのです。あらい解釈をすると、ドンキーホーテーも宝探しや発見するたのしみを圧縮陳列に込めていると考える事が出来ます。



4)安心、信頼できるブランドになる

安かろう、悪かろうでは、通用しません。著書では、HISの例を紹介しています。海外旅行において格安航空券が非常に怪しい香りをぷんぷんさせていた当時、HISは最も安心できる最も安い旅行代理店というブランドを確立しています。まさに、安くても、なるほどね!です。



上記の4つは、あくまでヒントです。全てを実行し、或いはいずれかの条件を満たして競争力の高い低価格の商品を実現するのは困難でしょう。ここで、重要なことは、単に安いだけでは、日本に多く存在するミドルの消費者にはもはや響かないと言うことです。価格に加えて、何が消費者の原動力となっているかを徹底的に突き止めて、コストとベネフィット(利点)のトレードオフを打破することが大切なのです。



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