下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり

2019年6月15日 土曜日

早嶋です。

年を重ねても、同じ時間を過ごした仲間は常に当時と同変わらない感覚を持ち、憧れの年配の御仁との差は縮まりません。そしてその年になっても常に自分が幼いように感じてしまいます。

少し前にこんな記事がありました、日経新聞です。俳優の福山雅治とサザエさんの波平さんが同い年だと。なるほど、思い出せば手塚治虫のブラックジャックに描写されていた当時の50歳は白髪か薄毛で場合によってはヨボヨボでヨロヨロでした。

50歳と言えば敦盛の一説を思い出します。信長公記によれば、織田信長は幸若舞の演目の一つ、敦盛を良く演じたと言われます。『人間五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。』

小さい頃、信長の時代は、人生50年だったんだと勘違いしていました。実際は下天(もしくは化天)は仏教の世界観の中の六欲天の一つで、そこの住人の寿命と人間を比較した歌でした。天上界の一昼夜が人間界の800年に相当することを人間の寿命と比較した歌です。

織田信長の享年は47歳で、桶狭間合戦で今川義元を打ったのは27歳だったそうです。下天からするとあっと言う間の年月でしょうが、やはり今の我々世代は幼いと感じてしまいます。

サザエさんの設定で、公式プロフィールを見ると磯野波平は54歳で威厳と貫禄たっぷりのお父さんとあります。私が小学校の頃の50代は石原裕次郎。正しい記憶ではありませんが兄貴的な要素で売り出していたと思います。

長崎出身ということだけで福山雅治を注目していますが、今の50歳のアイコンとも言えます。圧倒的に若いしかっこよさを感じます。

医療の進歩か文明の力か、はたまた個人の精神年齢が低下したのか。いずれが正解かは置いておき、50歳のおじさん像はずいぶんと変化しているのだと思います。



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