インターネット情報(2次データ)だけの限界

2019年5月29日 水曜日

原です。

データ分析ツールの進化によって、顧客の声の捉え方も進化しています。
分析後のデータは、インターネットを検索すれば、誰でも・いつでも・無料または安価で情報を得ることができ便利になりました。
また、POSシステムやポイントカードの普及などにより、顧客データも蓄積されています。顧客がいつ・どこで・どんな買い物をしてきたかは、長年にわたる膨大なデータを分析することにより、顧客動向の大きな流れを掴むことができます。

しかし、POSシステムやポイントカードとはいえ、得られるデータには限界があります。この仕組みで顧客情報を収集できるのは、買い物をした顧客の行動だけからです。例えば、来店して売り場を見て回り、何も買わずに店を出て行った顧客の情報は含まれていません。分析の材料となる顧客の行動は、ほとんどの店では現場の販売員による「肌感覚」でしか掴めていないのではないでしょうか。顧客が「なぜ買わなかったのか。何が不満だったのか。」の理由を分析することも重要と考えられます。
更に購入した顧客からは、「なぜ購入したのか」の理由が分かりません。「この商品で問題が解決できる。助かった。」など満足したのか。「この商品しかないから仕方なく買った。」程度なのか。「もっとこんな商品があると良いのになぁ」の欲求など、顧客の感情や本音は掴むことができません。

例えば、筆者はポイントカードの使用やインターネットから商品を購入します。
毎回、私用で商品を購入するだけではありません。筆者の両親はインターネットを使用しないので、私が代わりに商品を購入することがあります。しかし、データでは私の購入履歴(いつ、どこで、誰が、何を購入など)になっていると思います。「誰が」にズレがあり、正確なデータとは言えないのではないでしょうか。
あるいは、筆者は講師業も行っていることから、人前に立つことが多いです。
なので、顔の肌のケアのため化粧水を使用するようになりました。住居付近のドラッグストアでは男性用の化粧水も少しだけ置いていますが、素材重視という理由から女性用を購入しています。
こういう場合、ポイントカードによるデータからは「男性も女性化粧水を求めて買う人がいる」と分析するだけなのか。「男性も化粧水を購入する人がいる。理由をもっと具体的にして男性化粧水の開発も増やしていこう」と判断するのかが気になります。筆者は、もちろん、理由まで掴んで開発された筆者の期待にぴったりの商品の方を購入したいです。

このように、超大な情報からの分析データは、大きな流れや動向は掴めます。
しかし、顧客の実情にぴったりと当てはまらないことがあります。
つまり、進化していく顧客分析ツールによるデータは、有効活用すべきです。そして、実情にぴったりと当てはまらない部分は、人から人へのインタビューから掴むことが必要なのです。






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