本当は顧客の本音が怖い

2019年5月21日 火曜日

原です。

今回は、顧客の声を聞くことのビジネスメリットを理解しても、素直に聞くことができない理由について説明します。

筆者は、クライアントなど多くの企業側から共通の本音を聞きます。共通の本音とは、「ビジネスを成功させるうえで顧客の声を聞くことは必要だと知っている。一方、本当は顧客の本音を聞くことが怖い」。企業側に「怖い理由」を聞いてみると、「自分達が想いを込めて作った製品・サービスを批判されることが怖い。長年のキャリアなどプロとしてのプライドが傷つく」と言われます。
筆者は、この「怖い理由」に同感できます。
筆者も研修講師を終えた後、受講者アンケートを拝見する機会があります。アンケートの中身は、「受講して良かった、面白かった、仕事に役立つ」などの高評価もあります。逆に、批判的な意見も書かれています。やはり、この批判的な意見を聞くことは怖いです。

それでは、この「怖さ」の理由は、一体何なのでしょうか。
それは、「感情の壁」があるからです。
間違えること、失敗すること、あるいは批判されることへの恐れは、最も一般的に見られ、多くの人に共通する「感情の壁」であるといえるかもしれません。
私たちは、「正しい」答えを出したときにほめられ、間違えると叱られながら育ってきました。
特に、一生懸命に頑張った結果に対して批判的な反応を示されると精神的なダメージは大きいです。

一方、筆者は、素晴らしいアイデアの持ち主と一緒に仕事をしたことがあります。アイデアが多く商品化に取り組むことも多くなる分、周りからの批判も多かったです。
ところが、彼はその批判的な意見を取り込み、また試作開発に取り組みます。そうこうしているうちに、だんだんと優れた製品が作り上げられていきました。これは、彼が批判を受け入れ、取り込むことができたからです。
彼は、アイデアを多く持っていただけではありません。人の批判を冷静に受け止める勇気がありました。失敗を恐れない行動力がありました。つまり、早めに失敗して早めに批判を受け、改善しながら成功につなげることを楽しむマインドを持っていたのです。
ただし、彼のような人は少ないと思います。たいていの人は批判されると不愉快になります。

筆者は、彼から学びました。
もちろん、顧客から全ての項目について高評価を受けることを目指すことは、プロとして当たり前です。しかし、価値の多様化など顧客も様々な思考や性格のタイプがあります。また、どんなプロでも万能であるということは、とても困難です。顧客の本音を知ることで、自分自身として気づかなかった視点や反省すべきことが発見できます。
「怖い」という感情の壁は、自分自信が勝手に作っているのではないでしょうか。案外、本音を聞いてみると「そんなに怖くなかった」ということもあるのではないでしょうか。









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