フリクションペン

2007年6月17日 日曜日

早嶋です。



パイロットコーポレーションが3月に発売した新製品の「フリクションボール」を購入して使って見ました。紙によっては、インクが残る感じを覚えますが、確かに消すことが出来ました。



パイロットは、消費者意識の中に、「どんな商品(ペン)が欲しいか?」という事に対して、必ず上位に「消せるペン」と言うのがある事を把握していました。また、鉛筆やシャープペンは消すことが出来ますが、発色や書き味の面で物足りなさを覚える人が多いことも掴んでいました。そこで、筆記具メーカーとして完成度の高い「消せるペン」を作ることを長年願望し続けたようです。



記憶にある方も多いと思いますが、消せるペンは過去にもありましたね。元祖?は、消しゴムで消せる油性ペン。こちらは、書いた直後は、確かに消すことが出来ましたが、時間がたつと消せなくなるため、普及しなかったようです。そして、最近ではゲルインクボールペン(商品名イーゲル)を同パイロットが売り出しました。こちらの原理は、鉛筆と同じで、インクの粒子を消しゴムで削り取るものです。



ん?パイロットは、イーゲルを持ちながらも、どうしてフリクションの研究を行っていたのでしょうか?



これは、イーゲルにも問題点があったからでしょう。イーゲルは、01年発売より流行しました。カラフルで、新しい機能(消せる)を備えていたため、学生の間で普及しています。ただ、同社調べによるとビジネス用途にまで広がらなかったそうです。



「イーゲルは、普段からボールペンを愛用している人たちには物足りない面があった(同社広報部)。」イーゲルは、鉛筆と同じ原理でインクの粒子を消しゴムで削り取る仕様のため、紙の上にインクを載せるような構造になっているそうです。そのため、書いたものが何かの拍子でこすれたりした場合、少し消えてしまうことがあったようです。



ボールペンとして、一度書いたら、確実に残ることは必須です。その上、書いたら消せると言うのが市場が求めていた声でした。つまり、これに対応するため、「しっかり書ける」ことと、「きれいに消せる」という相反する要求にこたえることが求められていたのです。



今回の「フリクションボール」は、全く違った発想で実現したソリューションになります。その発想はインクでした。フリクションボールのインクは、65度になると無色になり、マイナス10度くらいになると再び発色する性質を帯びています。



商品を手に取ると分かるのですが、ペンで書いた箇所を消すために、ペンの反対についてるゴムでこすります。しかし、こちらは消しゴムではなく、摩擦によって温度を上昇させる機能なのです。



世の中が求めている声(消せるペンが欲しい)と、同社が持っていた強み(温度によって発色するインク)をうまく融合させた新商品だと思います。こちらのペン、1本200円ですので、物は試しで使って見てください。



—ビズ・ナビからの広告—

ビズ・ナビでは、電子メールを用いた経営コーチングサービス「メールdeコーチ(メールでコーチ)」をはじめました。こちらを利用して気軽な経営相談を行いませんか?



コメントをどうぞ

CAPTCHA