基本的なことを当たり前に行う

2017年8月17日 木曜日

早嶋です。

クライアント先で複数のコンサルが集まる会議に参加した。その際に、私がファシリテーションを行うようにクライアントから依頼があった。実際、そのワークショップは、これまで惰性で取り組んでいたプロジェクトをゼロベースで見直し、1)大きなビジョンを再度共有する、2)その後、ファーストステップでどこまでテストマーケティングを行うかを決める、というのが大枠のゴールイメージでした。かつ、そのプロジェクト自体は社運をかけていると言っても過言ではない取組だ。

ファシリテーションで重要なことは、参加者の利害関係やこれまでのプロジェクトに対しての取組具合などの共有をファシリテータが理解していることだ。クライアントから当初聞かされた内容だけでは到底足りない部分がチラチラでてきたので、途中でコンサルAとコンサルBが喧嘩することが想定された。しかし、その想定はワークショップを初めて30分程度過ぎた時点だった。

そこで私(コンサルC)は、コンサルAとコンサルBの話を一度、脇において、そもそものプロジェクトのオーナーである経営者の理念やビジョンをどこまで共有しているかを確かめるた。敢えて経営者に複数の当たり前の質問をはじめた。当然、これまでのコンサルで両者は理解していると認識していたのか、コンサルAとBは、経営者の話に興味を示さない。

しかし、徐々に、ビジョンに対しての深掘りの質問の中で、今回のプロジェクトで起こしたいイノベーションが何なのか?その本質を実現するために、顧客の視点のみを深掘りしても駄目で、提供側の状況をもっと正確に議論する必要性が見えてきた。また、実際にテストマーケティングで走っている概要が、そもそもビジョンの一歩に近づいていないという問題も明らかになった。

そこで再度、コンサルAとBが感がている背景や立場を確かめ、互いが正しくて、但し互いが持っている前提が異なっていることを理解頂いた。その後、オーナーが実現したい内容に対して細分化を行い、コンサルAとBが行うべきこと、一旦中止すること、継続すること、追加で実施を検討すべきことに対して整理した。

きっとコンサルAとBからするとはじめは面白く無かったと思う。少なくとも両者で進めてきたプロジェクトに対して、突如コンサルCが現れて、交通整理をし始めたからだ。が、私のミッションはスポットで出現して一度、プロジェクトチームの意識統一と方向性の修正だったので目的は十分に果たせた。

もし、コンサルAとBと同じように実施するのでれば、そもそものミッションやビジョンの共有の後に、互いのチームビルディングをする機会を与え、定期的なリアルなコミュニケーションを入れるという当たり前のことを行うだろう。そう、当たり前の取組ができていなく、時間とカネを無駄にしたと経営者もワークショップの後に話をしていた。



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