朝鮮半島をめぐる動き

2017年5月18日 木曜日

早嶋です。

交渉の戦略を立てるためのフレームに、1)交渉の重要性を考える、2)双方との今後の関係性を考える。があります。もし自分にとって

●交渉内容が重要で、相手との関係性も今後も継続したいのであればWin-Winの交渉を進めます。
●交渉内容が重要で、相手との関係性は今後はどうでも良い場合はWin-Loseの交渉を進めます。
●交渉内容が重要ではなく、相手との関係性が今後とも継続したいのであればLose-Winの交渉を進めます。
●交渉内容が重要ではなく、相手との関係性も今度はどうでも良い場合、そもそも交渉を行いません。

米国と北朝鮮の関係を、米国を主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-Loseだと思います。米国に取って北朝鮮の今後の態度は非常に重要です。北朝鮮が持つミサイルの脅威が自国の領域に達するためです(※1)。これまでの射程は3,000キロ範囲内したが、近年の核実験とその技術の蓄積によって射程距離が1万キロに達すう可能性が出たからです。また、北朝鮮との関係性を考えた場合、相手国はそもそも理屈で動く国ではないため、関係性は重要でありません。むしろ一度リセットして、統治下におくか、関係国の管理下に置かれた方がメリットが強くなります。

韓国と北朝鮮の関係を、韓国主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-Winに近いWin-Loseでしょうか。有事になった場合、ソウルは瞬間的に火の海になり少なくとも100万人の被害がでることが予測されています。しかし隣国との関係は韓国に取って重要なはずです。統合することができれば、安価な労働力をしばらくの間は確保でき、核の保有も同時に得ることができます。

中国と北朝鮮の関係を、中国主体に考えた場合、交渉のオプションはWin-WinとWin-Loseの間くらいでしょうか。中国に取って北朝鮮との関係を維持するのは重要です。国交がある数少ない共産主義政権と言うこともあるでしょう。もし有事になれば考えられるシナリオは韓国と北との統合です。この場合、米国との同盟国である韓国が北朝鮮を統一することになるので、中国としては国境を隣にすることになります。これは中国にとってもクッションがなくなり厄介です。また、北朝鮮との国境近くにはいわゆる朝鮮族(韓国、朝鮮系中国人)が暮らしています。北に制裁を加えると、国境地域の住民感に不和が拡がることも中国政府の恐れになっていると思います。

中国としても北朝鮮に対しては面白く無いと思います。これまで何もしなければ、均衡関係が保たれていたのに、今回の北朝鮮の挑発の度が過ぎたので米国が動き始めました。1つはTHAADの配備です。北が動かなければ、韓国にTHAADを配備することの理由がありませんでした。しかし、今回は米国にとっても大義名分ができ、堂々と配備することができるようになりました。これは中国としても面白くないことだと思います。また、結果として朝鮮半島付近に米国の空母や原子力潜水艦を配備させることにつながりました。中国からすると圧倒的な米国の軍事力を見ることになり、これまでのように強気の体制が取りにくくなったのでは無いでしょうか。

現在、報道では米国は北朝鮮の軍事的な包囲網をほぼほぼ整えているようです。北朝鮮が軍事行動を起こせば、即対応できるように推定で300発の巡航ミサイルが北朝鮮の地下施設に照準を合わせていると言われています。

米国はこの一連の軍備配備においてフェイントをかましていました。4月初旬、シンガポール付近にいた空母カール・ビンソンを北朝鮮に向かわせると命じました。しかしひ実際はインドネシア方面に迂回して時間稼ぎをしていました。この動きに慌てた北朝鮮は臨戦態勢に入ります。通常の演習とは全く異なる臨戦態勢に入り、大量の物資や要因を地下施設に送り込みました。米国の真の目的は、この様子を観察して地下施設の場所を正確に把握し攻撃する対象を絞り込んだのです。

北朝鮮は現在、臨戦態勢になっている可能性が高いです。しかし、このニラメッコ状態が続くと北朝鮮には申告なダメージを受けると思います。6月は北朝鮮に取って重要な田植えの時期です。そしてその時期は兵士のマンパワーが非常に重んじられていました。もし、臨戦態勢が続けば当然持ち場を離れることができなくなり田植えに影響が出て空きの収穫、そして食糧不足につながる可能性があるのです。米国はあるいみ北朝鮮に対しての兵糧攻めを行っているのです。

※1:http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_northkorea-missilerangedistance
時事ドットコムによると、ノドンの範囲が1300キロ、ムスダンの範囲が3000キロ。3000キロの範囲では日本がすっぽり射程距離内に入り、東南アジアの一部まで狙うことができます。長距離弾道のKN08は9000キロの射程で、これだとグアム、ハワイ、LAの近辺までが範囲になります。更に、テポドン2号改良型は1万キロなのでワシントンの近くまでが範囲となります。



コメントをどうぞ

CAPTCHA