レバレッジ

2007年3月27日 火曜日

早嶋です。



経済活動において、他人資本を使うことで、自己資本に対する利益率を高めることをレバレッジ効果といいます。経済紙面でレバレッジを効かせて・・・という記述が良くありますね。



レバレッジとは、梃子(てこ)のことです。梃子の原理を使えば、自分の力だけでは持ち上がらない重たい物でも持ち上げることができる、という実験を行ったことがあると思います。まさにこの梃子の原理そのものです。



梃子が、レバレッジとカタカタで表記されると、経済用語や経営用語となります。上記で書いたように、借金をして資金を調達したり、1人で出来ないプロジェクトをチームの力でもって行うこともレバレッジを効かせたことになります。



LBO(leveraged by out)も借金をして企業を買収することを指します。最近では、米国のカーライルグループが150億ドルのLBOファンドを立ち上げるなどの報道がありましたね。



企業の価値が100億円であった場合、その企業を買収するためには、100億円のキャッシュかそれと同等の価値を持ったものを100億円分用意する必要があります。もし手元に10億円しかない場合、自己資金のみでこの企業を買収することは出来ません。しかし、90億円の借入(レバレッジ)を行い、他人の資本による効果(レバレッジ効果)によって買収することは可能です。これが、レバレッジを使った効果です。



では、冒頭に記述した他人資本を利用して、自己資本に対する利益率を高める、とはどういうことでしょう。この場合、株式投資における信用取引を例に見ると分かりやすいと思います。ちなみに、信用取引とは、株式投資においてレバレッジを効かせる取引を指します。



例えば、株式投資の場合、証券会社は通常、自己資金の3倍程度を貸してくれます。仮に自己資金が100万円あったとして、レバレッジを利用して自己資本の3倍を借りたら、当初の自己資金の4倍、つまり400万円の投資が可能となるのです。(実際は、証券会社がお金を貸し付ける際は、担保要求があります。)



上記の条件でレバレッジを使った場合と使わない場合のリターンを見てみましょう。



【リバレッジなし】

100万円の自己資金を株式Aに投資し、1年後に20%の値上がりを得たとします。このときの投下資本利益率(ROI)は20%になります。また、投下資本はそのまま自己資本なので、自己資本利益率(ROA)も20%になります。



【レバレッジあり】

100万円の自己資金に対して300万円を借り入れ、合計400万円を株式Aに投資した場合を考えます。同じように20%のリターンを得たとしたら、400万円で購入した株式Aの1年後の評価額は480万円です。

ROIは、同様に20%になりますが、ROAは、100万円の投資金額で80万円のリターンを得ることになりますので、実に80%に達することが分かります。つまり、4倍のレバレッジをかけて投下資本を4倍に増やした結果、ROAも20%から4倍の80%に増大するのです。



この例を見れば、レバレッジを効かせた株式投資は非常に魅力的ですが、物事には陰と陽が存在します。例えば、1年間に20%の値下がりがあったとしたらどうでしょう。



【リバレッジなし】

100万円の自己資金を株式Aに投資し、1年後に20%の値下がりになるので、評価額は80万円です。この場合、ROIもROAもともに-20%です。



【レバレッジあり】

4倍のレバレッジをかけて、投下資本を400万円にした場合はどうでしょう。この場合、1年後の評価額は320万円になります。ROIは、-20%ですが、ROAは、投資した100万円に対して、1年間で80万円の損失を出したので、-80%にもなるのです。



つまり、レバレッジを効かせればリターンを増大させることもありますが、リスクも増大するのです。



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