脱窮鼠猫を噛む

2016年9月7日 水曜日

早嶋です。

交渉の戦略を考える際に、①内容の重要性を考える、②相手のと関係性を考える、という②つの立ち位置が大切だ。

①はそもそも交渉の結果、何を勝ち得るのか?その交渉が自分に取ってどのくらい重要なのかを見極めるものだ。従って、何らかの基軸を持ち、交渉の重要性を判断することが必要だ。

②はその交渉の結果、相手との関係をどうしたいのかを考えることだ。交渉は勝たなければならないと考える人が多いが、相手との関係が今後も続く場合、一方的な勝ち戦は分が悪い。

そこで上記の①、②について重要か、重要でないかの2つの切り口で分けた場合、4つの象限ができる。それによって交渉の戦略を大きく決めることが大切だ。

①交渉自体が重要で、②相手との関係も重要
この場合の交渉の戦略はWin-Winとなる。互いがメリットがでて、互いの関係が今後も良好に続くような打開策を考えることがポイントだ。その際に最も意識することが、相手との関係性の構築と互いの利害が新たなパイを生むことにフォーカスすることだ。最も理想的な交渉は完全なる情報の公開だ。が、実際は互いが疑心暗鬼になるので交渉の代理人を置くなどの工夫は必要になる。

①交渉自体が重要で、②相手との関係は重要でない
この場合の交渉の戦略はWin-Loseとなる。徹底的に攻め、相手にグーの音も言わせない、いわゆるパーフェクトな勝ちを目指す。相手の譲歩も飲まなければ情報をも極力公開しないやり方だ。兎に角自分の交渉事が大切なので相手のことを考える必要はないという場合。が、実際はその後の相手の動きを加速させることになるので短期的には良くても長期的には塩梅が歩い場合もある。

①交渉自体が重要ではなく、②相手との関係性は需要
この場合の交渉の戦略はLose-Winとなる。つまり自分に取っては交渉事自体は大切ではないが、その話をすることで相手との関係性を継続させる場合だ。この場合はそもそも勝たなくて良いので、完全に空いてに併せて譲歩していけば良い。

①交渉自体が重要ではなく、②空いてとの関係も重要でない
この場合の交渉の戦略は、しないことだ。そもそもその交渉事を真面目に捉えることに意味がない。意外とあるが、何でも交渉をしなければならないと捉えがちだが4つ目のオプションを選択する勇気も大切だ。

営業や社内のやり取り、たまの社外でのやり取りの中で、やはり日常的に多いシーンは、交渉内容自体も自分に取って大切で、かつ交渉相手との関係も大切な場合だろう。その場合は、相手を一方的に追い詰めてもどうにもならないことは頭で分かっていても、いざ、トレーニングを積んでいない人は、やってしまいがちだ。

策士として数々の武勇伝を持つ戦国武将の武田信玄の言葉に、「五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす」というのがある。Win-WInにおける交渉の極意だと思う。相手を滅ぼす意志がなければ長く付き合う相手に対して一方的に嫌な気持ちをさせないことが大切だということだ。さもなければ窮鼠猫を噛むような状態になり状況が不利になる場合もあるからだ。



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