価格と価値とプライシング

2016年8月3日 水曜日

早嶋です。

マーケティングにおいて、価格を決めるためには3つの手法があるとされる。

1)原価をベースに利益を載せる
日本の製造業などがこの価格の付け方を従来から取ってきた。明確にできるが、需要と供給のバランスが崩れ、競合が同様の価格つけで競争をし始めると、利益を下げざるを得ない。

2)競合を参照にした価格付け
自社のポジションを考慮しながら他の競合の価格との塩梅を見ながら価格を設定する。高級車ラインでアウディはベンツよりは安いがBMWと同じ立ち位置で5%から10%程度お買い得感を出している。というような手法だ。自社のポジションがクリアで、顧客の中である程度商品の立ち位置が企業毎に明確である市場では使い勝手が良い。

3)顧客の値頃感をベースに設定
顧客がこのような価値に対していくらだったら支払うか?という完全に顧客にフォーカスした価格設定。

上記のように考えると、1)が最も自社の都合をベースに考え、3)が顧客の都合をベースに考えるというものになる。ではどちらが高いか?最終的には、顧客を絞り込めば絞り込むほど価格は高く設定できると思う。

というのはどういうことか。ここで価格と価値について整理する。価格とはモノの値段であり、価値をそのモノを通じてその人が得られる全てです。とすると価格は人によって変わらないけれども価値は人によって異なります。

同じ意思決定の支援においてもAさんは価値が無いと捉え、Bさんは価値があると捉える。従ってコンサルのような形が見えにくい商品に対してのプライシングで悩む方の多くが対象を絞っていないことに起因します。

これは従来のマーケティングにも同様のことが言えます。おそらく全員を対象にすると今後は、ITの力、オープンソースの力によってコストはゼロに近づく方向に向かいます。従って、規模の経済で勝てなければ1)の価格をつけた企業は利益を出せません。もしくは、従来のようなビジネスモデルではなく、フリーミアムであったり広告収入であったり、売っている商品以外で利益を出す仕組みを捻出することが必要になります。

一方、ターゲットを絞れば絞るほど、自分たちが提供する価値を見出す人たちが明らかになります。その場合は3)の価格付けが大切になります。



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