エタノール

2007年3月14日 水曜日

早嶋です。



表題のエタノール、最近紙面に頻繁に登場しますね。例えば、本日の紙面には、「経産省が12日、バイオエタノールを3%混合したガソリンの製造から給油までの自称実験を行った結果、一定の安全性を確認できた」と、報道されています。



このバイオエタノール(Bioethanol)は、バイオマスエタノールと記されることもありますが、産業資源としてのバイオマスの1つです。サトウキビや大麦、トウモロコシ、大豆といった植物資源よりグルコースを発行させて作ったエタノールを指します。バイオとして名前をつけているのは、天然ガスや石油などの化石燃料から分離生成されるエチレンから合成されたエタノールと区別するために、呼んでいます。但し、科学的な組成や物性は両者とも同じです。(ウィキペディア参照)



ここで、バイオエタノールが世の中に与えている影響を見てみましょう。まず、メキシコの伝統的な主食トルティーヤ。この価格が高騰しています。メキシコの地元紙では、「トルティーヤ危機」と題され、国内各地で抗議でもが相次いでいます。トルティーヤは、トウモロコシから出来ているのですが、昨今のエタノール需要拡大を受けて原料のトウモロコシの価格が高騰しているのです。



米国農務省は、土壌保全や環境対策を目的としている休耕地の一部を、トウモロコシなどの栽培に切り替える方針を固めています。これも、バイオエタノールの需要拡大に対応した動きです。その土地の面積は、最大でほぼ四国に相当する広さです。



07年の米国農家の収益が3年ぶりに増加に転じています。これもトウモロコシ価格の高騰が原因で、穀物栽培の収入が過去最高を更新すると見られるためです。



世界有数のエタノー産出国のブラジルではエタノールの生産や販売体制を拡充することに力を入れています。この動きは、国際協力銀行が、ブラジル国営石油会社と、バイオ燃料事業を金融面で支援する覚書を結んだという報道に顕著に出ています。



ブラジルは現在、年間に180億リットルのエタノールを産出しており、その内の35億~40億リットルを輸出しています。その輸出の大半は米国向けなのですが、米国は割安なエタノールの輸入から自国の農家を保護する目的で、輸入関税をかけています。



そこで、ブラジルは、アメリカに対して、「エタノールの対米輸出の一部について関税免除を求める」としています。また、その措置として、「対日輸出を見込みエタノールの生産を拡大する用意があると。あとは日本側の決断次第だ」と表明もしています。上記の国際協力銀行は、日本向けの輸出拡大を目指すための支援でもあります。



なにやら、バイオエタノールを3%ガソリンに混ぜた実験の安全性の確認は、今後、エタノールマーケットが日本で拡大すうことを予見している報道のように取れますね。



日本企業でも、荏原などは、自動車用燃料に使うバイオエタノール事業に参入しています。日本に焦点を戻すと、温暖化ガスの排出削減・原油消費の抑制といった課題があります。現状、バイオ燃料を本格的に普及するには割高な生産コストがかかりますが、荏原の技術を使うとガソリン並みの価格に近づけることができるという見方があります。



エタノール関連の企業、近い将来、おおばけする可能性もありますね。



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