墨攻

2007年2月16日 金曜日

早嶋です。



近年、日本アニメの映画化は、そんなに珍しいことではありません。現在、劇場で公開されている「墨攻」もその一つです。墨攻という単語は、かたくなに守ることを意味する墨守から連想して考えられた造語だそうです。



この言葉を考えたのは、小説家である酒見賢一氏で、同氏の歴史小説、「墨攻」を原作とした歴史漫画が、日本を始め海外でも大反響を呼び、映画化されるまでになった経緯があります。



その墨攻ですが、墨家(ぼっか)を題材とした映画です。しかし、墨家といっても正直、ピンときませんね。



墨子は、紀元前420年前後に活躍した戦国時代の思想家です。当時は、孔子の儒学と勢力を二分した思想と言われていましたが、奏の時代に歴史上から消え去りました。この背景は、墨子の思想が当時としては、あまりにも異色だったからだと伝えられています。その思想の骨子は、墨家十論で、総じてストイックな論旨です。



兼愛:自分を愛するように他人を愛せ(人を公平に隔たり無く愛せよという教え)



非攻:侵略と併合は人類への犯罪(他国への侵攻を否定する考え、防衛のための戦争は辞さない。)



天志:天帝は侵略と併合を禁止する(天の意思は人々が正義をなすことだとし、天意にそむく憎み合いや争いを抑制する教え)



明鬼:鬼神は善人に味方して犯罪者を処罰する(善悪に応じて人々に賞罰を与える鬼神の存在を主張している)



尚賢:能力主義で人材を登用せよ(身分や地位を問わずに賢者を登用すべしということ)



尚同:指導者に従って価値基準を統一せよ(指導者の考えに全ての者が従えば、価値基準を一つにして社会の秩序が守られて繁栄するという考え)



節用:贅沢を止めて国家財政を再建せよ(贅沢や無駄を無くす事で財政を整えよという教え)



節葬:贅沢な葬儀を止めて富を蓄えよ(葬礼を簡素にし、祭礼にかかる浪費を防ぐことを意味する)



非楽:音楽に溺れず勤労と節約に励め(人々を悦楽にふけらせ、労働から遠ざける舞楽は慎むということ)



非命:宿命論を信ぜず勤勉に労働せよ(人は努力すれば運命を変えられるとの教え)



上記を見てみると、戦国時代の時代背景からすると異色の思想だったのかもしれません。兼愛や非攻などは、当時の君主たちにとって、とても受け入れられる思想ではなかったのでしょう。しかし、現在ではどうでしょうか?現在の日本にもは割りとマッチした考え方だと感じます。



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