吉宗のブルーオーシャン

2006年12月24日 日曜日

早嶋です。



前回のべた、ブルーオーシャン戦略の第一歩は、市場の境界を引きなおして競争を迂回し、ブルーオーシャンを創造することと書きました。



ただ、問題となるのは、このような境界線の引きなおしをどのように行うかです。仮に、その方法があったとしたら、消費財、産業財、金融、サービス、通信、IT、製造、B2B、など、あらゆる業界に適用できるものかということを疑問視することでしょう。



ブルーオーシャン戦略のキム氏とモボルニュ女史は、この方法を6つのパス(the six paths)として紹介しています。このパスは全ての業界に応用できるもので、実現性が高いアイデアを導いてくれます。それらは次の6つを考えることです。



 1)代替産業に学ぶ

 2)業界内の他の戦略グループに学ぶ

 3)買い手グループに目を向ける

 4)補完材や補完サービスを見渡す

 5)機能志向と感性志向を切り替える

 6)将来を見渡す



上記で、パス4)の補完材や補完サービスを見渡すを考えて見ました。製品やサービスは単独で利用するのはまれで、たいていの場合、ほかの製品やサービスと併用しています。また、こうすることによって、その製品やサービス自体の価値が増します。



ただし、実際は、多くの業界では各社とも同一の製品やサービスにしか視野を向けていないという問題を提起します。ここでのポイントは、顧客がその製品やサービスを利用して全体的にどのような問題を解決するのかを考えることに始まります。



長崎には、吉宗(よっそう)という茶碗蒸しの専門店があります。創業は、1866年、慶応2年という老舗です。創業者で幕末伊予(現在の愛媛)藩士であった、吉田宗吉信武は、当時出入りしていた長崎の肥後屋敷で食べた茶碗蒸しからヒントを得て、これに蒸し寿司をセットにして商品化し、現在の浜の町(長崎の繁華街)で商売を始めました。



ポイントは、茶碗蒸しと蒸し寿司をセットにしたところです。茶碗蒸しだけでは食事として受け入れられて貰えなかったために、忙しい人たちのために、簡略で旨い食事として両方を召し上がってもらうことを考えたのです。



この考えは、当時の食事を、トータル・ソリューションとして考え、まさにパス4)を考えた結果、ブルーオーシャンである茶碗蒸しと蒸し寿司のセットを考え付いたのです。



吉宗ですが、茶碗蒸しの専門店として、現在は6代目が運営しています。また、その知名度は全国に広がり、長崎を飛び出しています。



ポイントは、自社の製品やサービスがどのような状況で利用されているかを考えることです。使用中、使用後にはどのような状況になるだろう?どこかにネックはないだろうか?代替財や代替サービズを見渡すことによって、より顧客にハッピーになっていただくことはできないか?パス4)では、上記のように考えてみることが大切です。



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