不満足のマネジメント

2013年1月20日 日曜日

早嶋です。

顧客満足度調査は積極的に行うが、不満にフォーカスした調査は行われない。企業のCS活動を見ていていつも疑問に思います。通常、ヒトは自分達が提供している商品(製品・サービス)に対しては自信があるので、皆が満足をしているはず。という視点で捉えます。

顧客満足は、すなわち、顧客が自分達が提供している価値の総和も違いないのでとても重要な指標です。しかし、全体の底上げをするためには満足よりも不満にフォーカスした方がより効果的だと考えます。

例えば、自分が不満を覚えた体験を思い出して見て下さい。多くの場合が、サイレンス、つまりその事自体を企業に伝える行動を取らないと思います。一方で、第三者の友人や家族、職場の人には、自分がその企業からいかに不満を受けたかをお話するコトでしょう。実際に、そのことを企業に伝えたとしても、確率では20回に1回くらいでしょう。そして、通常はストレートに伝えることが出来ないので、実際の要求、つまり企業に対してのクレームはかなり限られたものになるでしょう。

そう、不満の特徴の1つ目として、不満を感じた本人は、その商品を提供する企業に対しては、伝えることをせずに、第三者にぶちまけるという特質を持っています。従って、企業からすると、まさか自分達が提供している商品に不満があるとは思わない、従って、不満を放置していることが多々あるのです。

その不満ですが、どのようなことで起こっていますか?例えば、ホテルでの宿泊ルームやクリーンレス、スタッフの対応は良かったのに、会計時のちょっとしたやり取りで不満が出た。例えば、飲食店で有名な商品を頼んで非常に美味しかったのに、お店の待ち時間に冷たくあしらわれた。例えば、治療は非常に上手でドクターも親切にしてくれてたのに、スタッフの私語が気になって不満だった。

と、不満足の多くは、その企業が提供しているメインディッシュの商品ではなく、サブや、本来はやらなくて良いことに対して不満が爆発します。これは理屈で考えるとよく分かります。メインディッシュの商品は、自分達が全てを注ぎ込むので、そうそう不満はでないでしょう。

しかし、亜流の傍流の商品に限って、視点が行き届くことが少なくなります。結果、不満が発生しやすいのです。しかし、消費者からすると、それがメインであれサブであれ、企業が提供している1つとして捉えます。結果、サブの不満によって、企業の価値がその消費者から低く見られるようになるのです。これは。不満の特徴の2つ目です。メインの商品ではないところに発生する。

これらを総合して考えると、不満への対象をもっと真剣に考える。不満を全くゼロにすることは難しいので、不満が出た時に、少なくとも顧客が企業に伝えやすいような工夫をすることです。間接的な窓口を準備したり、不満の投函が行い易いようにしたりです。

良く言われる経験則ですが、不満に対して企業側が真摯に対応した場合、その半数がその企業のファンになるようです。これも感覚的によく理解出来ますね。

もし、上記のようなことが出来ないな、と思う場合は、思い切ってメインの商品にフォーカスして、サブの商品をなくすことをおすすめします。すると、少なくとも不満を起こす可能性が少なくなり、相対的な顧客の評価がグッとたかまるからです。



コメント / トラックバック4件

  1. あつろう より:

    顧客不満度を計るモノサシとかあれば、企業も対応しやすいとおもうのですが、いかがでしょうあk

  2. biznavi より:

    モノサシは、まずは各自で考える必要がありますね。

  3. biznavi より:

    加えて、敢えて不満足をそのままにするケースもあるでしょうね。ターゲット外の不満足は表面化して、真摯に受け止めるが企業としては対応しない。全て行うではなく、この時はこうするという意思決定が必要な分野です。

  4. あつろう より:

    なるほど、売りたい層に資源を集中させるということですね。
    納得です

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