社会資本

2012年12月22日 土曜日

選挙でぼやけた感があります。笹子トンネルの事故。日本の行動経済成長がスタートした1970年代から徐々に公共工事が盛んになり、交通インフラなどの整備が進みました。現在、インフラ投資が積極的に行われた時代から30年、40年が経過します。社会資本は道路、港湾、上下水道、橋などで、今回の笹子トンネルは、今後おこりうる社会インフラの前兆のように感じます。

国土交通省の資料を見れば、現在の社会インフラを維持更新するための資金は爆発的な金額になるようです。

参照:図表152 従来通りの維持管理・更新をした場合の推計(国土交通白書2012)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h23/hakusho/h24/html/n1216000.html

この資料から考えられることは、これまで通りのインフラ維持は正解ではないようです。マネジメントの徹底的な効率化を図り、社会資本にも選択と集中が必要になると思います。残す社会資本、残さない資本。それをどのような順序で行うのか?これを真剣に考えなければ税金がいくらあっても足りません。

運営する資金についても、再検討が必要です。公的資金に頼らずに、効率的に資金を集めるPFI等の推進。官民の癒着を回避するためにこれまで以上に国民の関与が必要になるでしょう。

今回の笹子トンネルの事故もそうですが、常に責任の所在と罰則が不明確です。従って、なんとなく時間が過ぎると風化して、トンネル事故で終わってします。そもそも、トンネルの天井に意味も無く1枚1トンの板を何故つけてるの?と思いました。そのようなトンネルが全国に数十、数百もあります。のの根本は社会資本に巨額なお金が投資しているグレイな背景があったことをかいま見ることができました。

そのような視点で社会資本を眺めると、なんで?と思うことが多数あります。田舎に行くと誰も歩いていないのに、歩道が車道と同じくらいの幅で整備されている。河川では、自然の姿を取り壊してコンクリートの壁で塗り固められる。年度末になるために、道が掘り返されて再び埋められる。地方の自治体の施設は、全て最新の設備で作られているのに省エネということで電気が止められ、誰も使っていない。

笹子トンネルの事故を悲惨な事故で終わるのではなく、過去からの癒着や無作法な管理などを正しく洗い出し、今後、どのように維持管理すべきかを議論する。加えて、追加での社会資本に対しても日本全体のビジョンのもとに計画していく。少なくともピンポイントで発生的な穴埋めはしない等を検討して欲しいものです。



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