コカ・コーラ社のマーケティング

2012年9月23日 日曜日

早嶋です。

1日に5000万人。自動販売機で購入される顧客が約2000万人、スーパーやコンビニなどの小売で購入される顧客が1600万人、残りはマクドナルドやファーストフードで900万人。これは、日本コカ・コーラ社の製品の購買顧客1日の数字です。とんでも無いですね。日本の人口が1億2000万人ですから、この数字がいかにすごいものなのかが良く理解できます。

これだけの商品の購買の裏にはどのくらいの人たちが関わっているのでしょうか?実際は、日本コカ・コーラ社の社員は550名程度だそうです。皆がマーケティングに特化し、その他はシステム化して他のチームに任せている。550名の社員でブランド価値を徹底的に高める仕組みを継続的に考え実践し、他のシステム約2万3000人のチームがそれを実践している。これを考えると、コカ・コーラ社が行なっているマーケティングってとても気になりますね。

コカ・コーラ社の仕組みを分析するれするほど、これだ!というとてつも無く素晴らしい取り組みをしているのではなく、仮説と検証を耐えず繰り返しながら徹底的な基本を構築していることが良く理解できます。何かすごい技を一髪かけてノックアウトするのではなく、継続的に試行錯誤をしながらジャブを適切に打っているのです。

* 基本的な数字は徹底的に計測し管理する。認知率、好意度、購買意向、リピート購買率等々。これらはブランドの健康状態と考える。
* ブランド力の継続が商品の販売の根幹と感がえている。
* 現場を担当するボトラー社は地域の人を雇用して、資材を書い、ボトリングを担ってもらうことで地域の雇用を促進し地域経済に活性化してもらうという理念を大切にしている。
* 価値を基本的な価値(intrinsic value)とそこから付帯的に加わる情緒や感情の価値(extrinsic value)の両面から価値を提供している。
* 競合からシェアを奪う発想ではなく、常にマーケット全体を大きくする発想で価値創造に重きをおく。
* share of stomachの発想。人間の水分の補給は4割が食物から。6割は食物以外からの水分補給だけど、その数%程度しか商業的なものが関わっていない。このシェアを伸ばす発想。
* 上記を達成するために、徹底的にペネトレーションとフリークエンシーを上げていく。
* 外に対してのマーケティングと同時に社内に対してのマーケティング、インターナル・マーケティングも重視する。
* 24時間、常にインサイト(顧客の心理、発見、興味、理解)に目を向け、顧客をきちんと直視する。
* すべてのマーケティング活動には一貫性を持たせる。統合マーケティング。
* 新しい価値は常に、多くの場合現場から生み出される。スタッフが机上のみで考えない。
* マーケティングに重要な概念は特別な差別化であり、平均点ではNG。
* マーケティングは明日のために行うもので、即効性を求めない、長期的な継続的な取り組みの中でリターンを得る仕組みとする。
* 一番手にこだわる。ポジショニングの重要性を理解する。
* 簡単に諦めない。継続的な取り組みと忍耐が勝敗の分かれ目に成る。
* 最終的には人の心を動かせるという事に尽きる。商品でもサービスでも無い。人の心にフォーカスする。
* マーケティングは絶対に一人では出来ない仕事である。しかし一方で全体の整合性が非常に重要。従って、議論がわかれた時の最終的な決定はCMOに託す。



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