ベネフィット

2012年6月17日 日曜日

マーケティングで価値についての議論は絶えません。顧客は価値の代償として対価を企業に支払うからです。その価値、例えば数式で表すと次のようになるでしょう。

(価値) = (ベネフィット)−(コスト)

ベネフィットは顧客にとってなんかいいことで機能的な面と感情的な面があります。

機能的な面は、合理的か?とか、品質や価格、利便性等です。多くの中小企業はこの部分で勝負をしますが、こちらは比較する対象があったり、優越を完璧に付けることが出来ますので表現することはある程度容易です。一方、ある範囲を超えた部分の機能的な面でのベネフィットは、提供側がその違いを理解したとしても、顧客は既に理解不能になります。マーケティングのことばに知覚品質があります。ある一定レベルの機能を超えた場合、その差がわからなくなる。知覚品質を超えた場合です。

感情的な面は、高級感や癒し、安心感等があります。これは比較対象がありますが、その基準は顧客の心の中の判断です。従って、機能的な面が商品に偏る一方、感情的な面は顧客による部分が多くなります。

コストは、単純に購入金額に加えて、購入するまでにかかる時間。購入にいたるまでに費やす労働。また別の視点でリスクという考えもあります。もちろん金銭的なリスクや物理的なリスク。場合によっては、本当にこれを買ってよかったのかな?というような心理的なリスク、他の目から見ていいのかな?という社会的なリスク、様々です。

ベネフィットを提供する場合、最も大切なことの一つが提供している人が一番その商品のファンであること。一番売っているひと本人が本当によい商品だと信じていることです。これは中小企業や大企業でも当てはまります。自分がよいと信じているから顧客に伝わる。沢山あるとおもいます。逆に絶対NGなのは、自分がその商品に疑問を持っている場合。これは明らかに顧客に伝わりますよね。

マーケタィングはサイエンスだけれども、サイエンスでは無い部分も沢山あります。上記の信じるということなんて、堂考えても情熱の問題です。熱意の話です。しかし一緒に船に乗る人はやっぱり船長の思いを大事にしたいはず。そのためにマーケティングでは組織の文化や哲学を徹底的に考えて共有化していく取り組みも忘れてはいけません。



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