グローバル経営にこそコアコンピタンス

2011年6月17日 金曜日

早嶋です。

利益=売上−コスト

財務会計が苦手なヒトでも上記の式は問題ないでしょう。企業の最終的なゴールは、収益を継続的に上げ続けることです。もちろんミッションとビジョンは重要せですが、収益の確保なしには絵に描いた餅にすぎません。従って、経営の本質は、収益を安定的に上げ続ける仕組みの構築になります。

利益を上げるためには、売上を上げるか、コストを下げるか、選択肢は2つです。両方を実現するか、どちらかを実現するか、後は組み合わせの問題です。

売上=客数×客単価

売上を確保する為には、顧客にどんどん購入してもらうことでしょう。そして高く買ってもらえたら、それはハッピーです。しかし値段が高い商品は大量には売れません。従って高付加価値な商品を提供する戦略をとれば、顧客が限定されます。一方、大量に買ってもらう為には、ある程度価格を下げる必要があります。つまり企業が取るべく戦略は、何らかの価値を提供することで差別化を図るか、安く提供しても利益を上げる体質を作り大量に販売する戦略の2つに集約されます。

市場が成長していく過程では、市場シェアの拡大とともに企業の売上が増えていくでしょう。しかし、成長している市場には他社の参入も激しくなります。従って市場の成長後期や成熟した段階では生き残る企業はある程度絞られてきます。何らかの差別化を図ることが出来た企業か、安く提供できる体制を構築した企業です。

しかし、この段階では市場は成熟、あるいは衰退をたどるので、企業の売上が徐々に低下します。そこで企業が考えるオプションは新市場に出ることでしょう。あるいは、もっと安く提供する体制を創るために、もっと安いコスト体制を整える事を考えるかも知れません。この場合の選択肢も日本以外の途上国への生産シフトです。

どちらの場合も海外に目が行きます。しかしその理由を突き止めると、市場を獲得することか、低コスト体制を実現することです。と考えると、さも合理的な判断のような気がしますが、もっと何か大切なモノはないのでしょうか?少なくとも、上記の2つの理由を掲げて安易に海外進出を実現した企業の多くが失敗しています。海外に行って安い人件費を使い製造したところで、直ぐに他社に模倣されることがある。付加価値のある商品だと思い、海外に出て販売したところ、実際は受け入れてもらえない。

そう、何で売れているのか?価値なのか、コストなのかに加えて、その企業の何らかの強みがあってこそのビジネスだからなのです。その強みがなんなのか?あんまり考えないで安直に海外に行った場合、一見成功するように見えるのですが、しばらくすると上手くいかないという結果になるのです。

グローバルに出て行く時には、自社の強み、なんで売れているのか?を深く分析することが大切です。言葉ではコアコンピタンスと言いますが、意外に分からずに経営しているかも知れません。それでは、なかなか上手く行きません。

感謝!



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