大きな池に行くその前に

2011年5月17日 火曜日

小さな池の中の魚が大きくなると、次は大きな池を目指します。その時に、多くは自分が持っている商品を分裂させて拡張するでしょう。商品構成を整えると、それだけ売上が上がると考えるのは合理的ですが、それだけ商品のマネジメントやブランドコントロールが難しくなる事も理解しばければならないと思います。

特に中小企業の場合、実際、なぜその商品が売れているのか?という理由をはっきりと掴んでないままラインナップを展開します。これは博打のようなものです。かと言って中小企業の経営者は優れたビジネス感覚を持っています。だからあながち成功しないとも言い切れません。

もし、このような判断を迷った場合、おすすめするのは先ず休憩することです。そして、展開しようとしている商品の既存顧客に目を向けます。なぜ、購入しているのか?そして、その商品を購入したけれども、実は何かの理由で使用を中止した顧客にも目を向けます。これによって、商品を贔屓にする顧客と、何らかの理由で商品の購買を諦めた顧客の2種類に注目することができるようになります。このギャップを徹底的に考える過程で、その商品が誰に対して、なぜ売れているのか?その理由が見えてくるでしょう。

その過程で商品に問題があれば改善すべきでしょう。しかし、対象とする顧客が問題だと感じていなければ、解消する必要はないかも知れません。全ての人に受け入れる商品はないからです。もし、商品以外の部分で顧客が購買を諦めていた場合は、商品の改良以上にそこに資源を費やしていきましょう。これによって離反客を改善することが出来るかも知れません。

よく言われる経営の法則で離反客を5%改善することができたら、25%の利益向上につながる。というのがあります。中小企業が成長を考えるとき、いきなり大きな池に目を向けないで、小さない池の見逃しているプランクトンに再度注目して、離反客の改善を行ったほうが結果、利益率が向上するのです。その経験と資本を武器に、いよいよ大きな池に挑戦する。ワンステップ、シナリオを考えるほうが成功率が高くなると思います。



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