茹でられないカエルになる

2011年4月23日 土曜日

大阪商人の言葉に三方良しがあります。好きな言葉のひとつです。企業だけでもなく、企業と顧客だけでもない。企業と顧客と地域がハッピーになる姿です。三者がWin-Win-Winです。これを国家と企業と個人に捉えると、構図が異なっています。国と企業と個人のWin-Win-Winは過去のものになっています。

かつての日本は、国と企業と個人がWin-Win-Winでした。しかしバブル崩壊後、国は傾き始めます。危機を感じて行動し続けた企業は国との共倒れを避けて企業努力を行いました。景気が悪いと感じている生活が基本でしょうが、数字で見る限りの企業の業績はここ10年程度伸びています。大きな企業の数字ですが。

その理由は、企業のスリム化やリストラです。企業がこの行為を行えば、すべての個人がハッピーを享受することがなくなります。従って、企業と個人のWin-Winの関係が崩壊して、Win-Loseの関係が構築されます。つまり、このまま企業が努力を続けるたびに、国家と個人はLose するという乱暴な考え方も間違いでは無いのです。

否定的な事を書いているな?と思う方がいるかも知れません。しかし、一方で個人や企業で努力を行なっている人や組織は生き残っていきます。今までのように、皆がハッピーになることは考えにくいですが、投資した人や組織に対してはリターンが返ってくるという当たり前の社会にシフトしているだけだと思います。

皆がハッピーから、ハッピーになるためには皆が考えて行動をしなければならない。さもなければWin-Win-Winは崩れる。当たり前のことですが、昔の当たり前では無いルールが定説になっていたので、理解されにくい状況なのです。

状況が変われば方法を変えなければならない。体力有り余る20代のピッチャーは、とにかく体力を駆使して豪速球で勝負するでしょう。30代になり体力が衰えてきたら、直球に加えてコントロールやスピードの強弱を駆使して勝負を挑むでしょう。そして、そこに頭脳を浸かったプレーも出てくるでしょう。このような姿は当たり前なのですが、いざ社会に融け込むと当たり前ではなくなっているのです。



コメント / トラックバック3件

  1. ぐるぐる より:

    野球の、野村克也氏は考えろ、と口を酸っぱくしていいますよね。「野球に勝つため」に考えろ、と。
    ビジネスの場合は、何のため? 究極的には「オーナーである株主の利益のため」でしょうか? SRIやESGなんて言われる世の中です。やっぱり、株主を極としつつも、顧客や社会という極も必要なんでしょう。いや、ほんと、永遠に解はないのかもしれません。

  2. 早嶋 より:

    株主も利ザヤで稼ぐことが主体の人とじっくり応援してくれる投資家がいます。一言で株主というのも問題な気がしてなりません。早嶋は企業は、社員や顧客の事を先ず考えて、そのあとに地域や株主の事も考える。順番が先か、後かって、書くと議論になりますが、それぞれ大切でしょう。
    加えて、そもそもなぜ、そのような仕事を行っているのか?という社員の目線。そもそも、なぜそのようなビジネスを始めたのか?という経営者の目線。つねに、何故?に対する理由を問い続けることも大切ですね。

  3. ぐるぐる より:

    おお。なるほど、その通りですね。

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