和菓子と懐紙

2010年10月18日 月曜日

先日、老舗和菓子屋さんとお話をしていました。和菓子屋さんで最も大切にしていることについてです。すると、「お客様に恥をかかせないこと」という事を教えて頂きました。

例えば、お茶菓子などを頂くとき、懐紙の上に和菓子を置きます。そしてお客さんが作法道理お茶菓子を頂く際に、和菓子と懐紙がくっついてしまうと、お客様は恥ずかしい想いをします。そのため、その和菓子屋さんでは懐紙と和菓子がくっつかないように、和菓子の底に少し焼きを入れるそうです。

そうすることで懐紙と和菓子がくっつかなくなるからです。しかし、ここはトレードオフが生じます。和菓子の底に焼きを入れる事で風味が少し悪くなります。関心したのは次のコメントです。少しくらい風味が悪くなっても、万が一にお客様が恥をかくようなことがあったほうが大変だ、と。

お客様のことを考えての工夫ですが、「恥をかかせない」という価値を大切にするために様々な取り組みを行っているのです。とても貴重なマーケティングの事例を教えて頂きました。



早嶋聡史





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