調剤薬局のターゲッティング

2010年8月15日 日曜日

アインファーマシーズのチャネル戦略、きわめて明確です。同社は調剤薬局の最大手として成長軌道に乗っている企業です。医薬分業の流れのもとに大量の処方箋を間違いなく効率的にさばくためITインフラを使って、病院近接のいわゆる門前薬局を全国展開しています。

ドラッグストアの調剤併設店は商圏内の複数の病院から処方箋を扱ういわゆる面対応型を取っています。アインファーマシーズの考えは、面対応型はもうからない!なので門前薬局のチャネル展開をすすめています。

病院の近隣にある門前薬局と比較して面対応型薬局は患者が少ない、かつ平均単価が1/3以下といいます。面対応型薬局に来るお客さんは眼科、皮膚科など処方箋が多く、その顧客向けに処方する薬は単価が低いのです。

更に面対応型では誰が来るのか分からないため、多種類の薬を在庫として持つ必要があります。そのため薬剤師を多く確保する必要があります。これは処方箋が出る枚数に比べ、薬剤師を多く抱えなければならないので、明らかに非効率になるのです。

アインファーマシーズは門前薬局主体で、しかも脳外科や循環器科、または総合病院をターゲットに出店しています。また一般診療所の門前でも糖尿病患者が多い病院を選択しています。理由は簡単。処方箋単価が高いのです。

調剤薬局。これまでは個人で経営する薬局が多かったと思いますが、この業界にもしっかりとターゲットを見極めて戦略を立てた企業が今後は生き残っていくのでしょう。


早嶋聡史



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