利益志向と目的志向

2010年7月14日 水曜日

目標を設定して、その目標に向かって進むことは自分の状態をハッピーに保つための一つの方法と言われます。目標はないよりも確実にあったほうがよい、というのは実際に現在進行形で行動している自身の体験からも頷けます。

さて、その目標の設定に対してですが、大きく2種類の考え方があります。1つは外発的な抱負をたたえた利益思考型の目標です。例えば、金持ちになりたい!とか、有名になりたい!などです。

もうひとつは、内発的な抱負を湛えた目的志向型の目標です。例えば、途上国の人々の暮らしを向上させることに従事しながら、自らも学びたい!とか、世の中の助けになる技術開発に従事して、開発をしながら自らも楽しみたい!などです。

上記の目標設定に対して、様々な所で実験され研究結果が報告されています。学生時代から目的志向型の目標を設定して、それを達成しながら生活していると感じている人は、過去よりも大きな満足度と習慣的な幸せを抱き、不安や落ち込みは極めて低いレベルにあると報告されています。

一方で、利益志向型の目標設定をしていた人は、実際に富を蓄積したり、賞賛を得たりしている確率は高いのですが、過去よりも満足度が向上したり、ポジティブな感情を自分の中で抱いていることが低いと言われています。目標を達成しているにも関わらず、以前よりもハッピーになっていると感じないのです。それどころか利益志向型の目標設定をしていた人は、過去よりもネガティブな感情が強くなったり、不安や心配などを自身の感情レベルで察知するようになっているそうです。

これらから導き出された結論は、人生をハッピーに過ごすためには目標設定だけでは十分ではないということです。正しい目標の設定が大切であるということです。

つまり、利益志向型の目標ではなく、目的志向型の目標を設定すると良いのです。



早嶋聡史





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