渋滞中に渋滞に耽る

2010年5月5日 水曜日

GWは、交通量が増えるので渋滞が発生する。何やらそれが当たり前のように感じるが、本当にそうなのだろうか?渋滞を解消させるための手段として、車線を増やすこと、ということで道路工事にお金をかけているけれど、それ以外に無いのだろうか?

有田から伊万里に抜ける道の渋滞中に考えてみました。

道路1車線の交通量は約2000台で設計されます。1分間に30台より少し多い車の量です。渋滞が発生する理由は、この量を超える車があふれた時、処理が出来なくなるためです。例えば、2車線が1車線になる道では、必ずその部分がボトルネックになり渋滞が発生します。ここは物理的な問題です、道路の拡張等が必要でしょう。

信号を考えてみます。都市部や繁華街では信号や交差点があります。普通の道では交通が流れていても、信号や交差点によって、その流れが滞る場合があります。

例えば、信号の長さを青25秒、黄色5秒、赤、25秒と仮定してみます。実際はもっと複雑だと思いまが。すると全体の45%が青信号なので、1時間で2000台通行できる道が、単純に半減し、1000台の交通量しか許容できなくなります。信号の設定が良くない道路では渋滞が発生するということです。この原因は、信号機のパラメーターの設定で解消できます。

GWなど、突発的に渋滞する道は、普段は混まない。そのために、交差点の信号のパラメーターは、主要道路も何も関係なく設定している、とします。であれば、GWなど、一時的に混雑が予測できる場合は、主要道路の青の時間を通常より長めにとるなどで対応が出来る可能性があります。

実際、伊万里の渋滞は、通常よりも多くの車が通っているため処理が出来なくなり渋滞となっていました。そしてその原因は信号です。明らかに、伊万里から唐津に抜ける道が交通量が多いのに、そこに交差する信号と同じ間隔で青と赤が繰り返されていました。もし、一時的にこの信号の割合を変化する事ができたら、渋滞は緩和されることでしょう。

また交差点の信号が青になっても、次の交差点の信号が赤であれば、その交差点で車がつまり、車が進みません。特に日本の道路は車の幹線道路と生活道路が入り乱れているので信号の連結が非常に悪い国道が多いです。これも渋滞の理由でしょう。

解消する方法としては、基準となる信号を設定して、その信号が青になると数か所先まで一気に青になる、或いは赤にするなどとし、ドミノ方式のように信号の連結をコントロールする事が考えられます。これによって、交通容量を効率的に増やし、車の平均速度を上げる事にもつながります。

年度末に毎年道路を掘って埋めるのにお金を費やすよりも、日本中の信号をシステム化して、最も効率的な交通量を制御できるように信号の仕組みをシステム化するのにお金を使った方が遥かに安いコストで解決できるということです。

また、交差点は必ず、信号をつけなければならない!というパラダイムも見直すことが出来ると思います。交通量の有無に関係なく立派な信号が付いています。交差点で込む理由は、左折車と右折車の存在です。

例えば、左折レーンを整備すると、これまで歩行者が途切れてから左折する車による渋滞を緩和する事が可能です。また、海外のように信号が赤でも左折レーンがあれば、確認して左折出来るようにする事もできるでしょう。

例えば、右折車両。こちらも右折レーンを整備する事により渋滞を緩和できます。また、市街地では右折事態を禁止するという事もできます。無秩序に右折する車によって、その後ろに続く車の流れを停める事になり渋滞が発生する事があるからです。

このように交差点における渋滞は車線の数が交通量の処理に大きな影響を与えます。従って渋滞している交差点には、直線、左折、右折のレーンを増やす工事は有効だとおもいます。歩行者が多い交差点は上述のように左折レーンの整備により渋滞を緩和できます。ここに費用をかけるとしたら立体交差化は解決策の一つです。


早嶋聡史





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