銀行とマーケティング

2010年4月23日 金曜日

邦銀でキャッシュカードの発行を行ってもらいました。丁度、引っ越しの前後だったので引っ越しする前の住所で登録をしました。理由は、新しい住所は既に分かっていましたが、法的な照明が手元に無かった事です。

邦銀では、住所を特定できる書類に、免許証や保険証、住民票などが必要ですが、引っ越しする前は、そのような書類が手元に無いので、取り急ぎ、古い住所でキャッシュカードの発行をお願いしたのです。

それから、すぐに住所変更の案内を出しました。何故か、住所変更の案内は公的な書類が必要なかったからです。書類に必要事項を書いて、郵送すれば住所変更が完了します。

2週間が経ちました。既に引っ越しを終わり、古い住所に届く郵便物等は転送の手続きを完了しています。キャッシュカードが届かないのでその銀行に連絡をいれ、調べてもらいました。

結果、住所変更の処理は済ませているにもかかわらず、古い住所に宅急便で送っていて、しかも保管期限が過ぎているのでキャッシュカードを無効にしたといいます。この際、電話が鳴ることは一度もありませんでした。

銀行に連絡した際に、再発行をしてほしいと言ったら、再び通帳と身分証明書を持って銀行に来行して下さい、と言われました。電話で発行が出来ないのですか?と聞いたら、できませんと。

過去に、同じようにキャッシュカードの再発行を海外の銀行にお願いした事があります。その時は、即日、前のカードを無効にしてくれた上で、新しいカードの発行を電話で行ってくれました。電話一本で新しいカードが送ってきました。

この違いは何だろう?

邦銀の言い分は分かります。本人確認をせずにカードを再発行して、それが別の人の手にわたってしまったら大変です。安全を期して慎重に業務を行っています。でしょう。しかし、キャッシュカードをなくしている顧客は、一時もカードを手にしたいはずです。

対して、外資の銀行は即日発効をしてくれます。同じ業務内容に対して、邦銀と外資の銀行では対応が違います。

外資の銀行は、そのような事態に統計処理を行っています。つまり、即日電話で発効する銀行は、本人以外の人間がカードをなくしたと言う確率はゼロでは無い、しかし、確率としては極めて低いので、そのリスクを銀行が持ち、顧客の不便を取り除くために即日発効する。と考えているのです。

マーケティングの基本は顧客の気持ちになることです。日本の銀行は、最近でこそ銀行の窓口で「いらっしゃいませ」という声を聞きいますが、極めて表面的な対応に感じます。日本の銀行はミスをなくすことを優先しているようです。そのために顧客の事は二の次なのでしょう。

顧客がカードを紛失した時に、どんなに不便か?どんなに心配か?どんなに手続きが面倒か?などは、考えた事も無いのでしょう。

長い間、旧大蔵省の管轄にあったのでマーケティングの発想と程遠いのでしょう。従って、思想としては1つのミスも許されず、カードの再発行の手続きも、銀行の都合に即した手続きを行うべきだ!というルールが当たり前になっているのです。

早嶋聡史







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