アイスランドで噴火が起きたら

2010年4月20日 火曜日

アイスランドで噴火が起きたら。

化学業界では半導体に使う感光性樹脂の輸出がストップしています。この部材は住友化学などが世界のシェアの半数程度を握っており、製造から時間が経つと品質が劣化するため空輸を原則としています。つまり、閉鎖の時間がたてば半導体を使ったあらゆるメーカーの最終製品に大きな影響がでるのでます。

富士通は欧州向けのパソコンを日本から航空便で運んでいます。現在、出荷出来ない状況が続いています。成田では欧州向けの貨物が滞留している状況でしょう。

乳がんなどの転移診断に使う放射性医薬品の原料、モリブデン99も滞っています。2~3日程度で放射能が半分程度に減るため空輸以外の代替輸送が難しいのです。

オランダから生花を輸入している花屋さんも多いでしょう。欧州から食材を輸入している企業は、当面は在庫でカバーできるでしょうが、航空網の復帰予測が付かないことに不安感を隠せないと思います。フランスやスペインは高級ワインや菓子、高級食材の宝庫。商社や大手百貨店は空輸で調達しているところも多いですが、在庫の状況に応じて今後欠品が出てくることでしょう。

北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる。バタフライエフェクトを思い出します。カオス力学系において、通常なら無視してしますような極めて小さな出来事がやがて無視できないい大きな出来事になる現象です。カオス理論を端的に表す表現でしすが、昨今のように世界がフラットになり相互依存してしまうと、どこかで起きた天災による影響が世界の隅々にまで波及します。

アイスランドで噴火が起きたら・・・。世の中は知らず知らずに相互の依存を受けています。


早嶋聡史





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