乱数発生コストと宝くじ

2010年3月12日 金曜日

宝くじについて考察しましたが、人の運にあやかるといった作戦もまんざらではありません。確率を論じる時に、必ず乱数という概念が出てきます。乱数は、でたらめに発生する数字です。

しかし、実際に乱数を発生させるためには極めてコストがかかります。例えばサイコロを例にとって考えましょう。神様が創ったサイコロがあったとします。すると1から6がでる確率はそれぞれ同様で1/6ですから、それによってつくられる数の列は乱数になります。

しかし前提の神様の創ったサイコロは存在しません。つまりでたらめに数を発生させようとしても、必ず何かのクセや意図を完全に消す事が出来ないのです。

実際、1の目が出る頻度は1/6よりも大きい事が多くの実験結果で分かっています。単純に1の目の彫り穴が裏側の6の目の穴より大きく、重心が6の目の方にややずれているのでは?という見解がされています。もちろんサイコロ事態の物理的な特徴意外に、サイコロを振る人の癖などをでたらめにする事が難しいのです。

最近はコンピューターで乱数を発生させる装置がありますが、こちらも厳密には乱数に近い数列を意図的に発生していることになりますので、完全にでたらめでは無いのです。まじめに乱数を発生させる装置をつくるのであれば、放射性物質の核崩壊を利用するなど、かなりお金がかかります。つまり、低コストで乱数を発生させるのは難しいのです。

そこで、宝くじを考えてみましょう。コンピュータで当たりを決めても、人間が弓矢で決めても、必ず何かしらの数列や癖や意図的な操作が加わります。そのため、長い目で見ると過去、当選した番号は固有の癖の結果という事ができます。そして、その癖を信じて過去の当たり番号にあやかるという作戦は、確率で考えると高くなるのかも知れません。

早嶋聡史




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