書籍化までの流れ その一

2010年2月16日 火曜日

書籍出版を考えられている方へ、情報共有できればと思います。

ブログで度々紹介していますが、長田と早嶋の共著で営業管理者向けの書籍を出版します。出版社は総合法令出版(http://www.horei.com/)で3月24日を予定しています。タイトルは「(仮)稼ぐ営業管理者の教科書」を予定です。

今後、書籍化を検討されている方、書籍化までの流れに興味をお持ちの方、これまでの取り組みと、今後の予定を共有させて頂きます。今回、初めての作業でしたので、素人の視点からリアルタイムな事象を共有出来ればと思います。

■きっかけ
・コンサル会社を経営していて、「本を書く」というのは当たり前になっている。
・名刺代わりに本を渡すこともできる。
・書籍化は今後継続し、会社のプロモーションの1つとして位置付ける。
・内容は、営業管理者向けの書籍で、これまでのコンサル、営業研修のノウハウを体系化した。

■書籍化
大きく分けて1)自費出版、2)出版社へのアプローチ、3)応募、があります。今回はビジネス書という事で2)出版社へのアプローチを行いました。この際のポイントは、企画書でも中身でもありません。初めに紹介して頂ける人と出版社の関係がとても重要だと思います。今回は、EQパートナーズの安部さんに出版社を色々とあたって頂きました。いきなり編集長にあってもらい、企画書と原稿を読んで頂けたのも、安部さんから直接紹介して頂けたからでしょう。感謝です。

とはいうものの、様々な出版社にも企画書と原稿をいきなり送りつけてみたりもしました。千三(せんみつ)とまでもいきませんが、反応は悲しいものです。また、紹介であっても、勿論内容が時流にそぐわないと編集者に判断されたら、その場で理由を教えて頂き、バイバイです。出版社と編集者によって、全く評価が異なりますので、何社かまわって「駄目だな―」なんて思う必要はないかもしれません。早嶋も今回の書籍化にOKを頂くまで10社程度は足を運んでいます。

初めて書籍化する場合。編集者からすると、売れるの?というのが一番大きいでしょう。また、なんでも良いから「書いている人」と「書いていない人」は色眼鏡で見られるでしょう。早嶋は雑誌の連載を偶々していたので、若干、アドバンテージがあったかもしれません。しかし、編集長にとって、雑誌と本は全く違いますぜ!というスタンスの方も多くいました。いずれにせよ、初めての人にはあたりが厳しい!と覚悟しておけば問題ないでしょう。

余談ですが、企画書と原稿の文書レベルがとてもひどい状態で持ちこみになられる人も沢山いるそうです。まず、読んでもらえません。初めての場合は、内容もそうですが、構成や日本語レベルも確認する事をお勧めします、と教えて頂きました。当たり前ですね。幸い、ボンドで作文を沢山(論文の事)しましたので、ここはクリアしていました。

それからへ編集長は、総じて変な人が多いです。こちらから押すと返事くれませんが、黙っていると向こうから催促する。といった感じです。初めて書籍を出す場合、編集長とのコミュニケーションの仕方にも戸惑いを覚えるかもしれません。この事も多くの著者から教わっていましたが、実際、体験して初めて納得しました。ポイントは、編集長が一度ゴーサインを出してくれたら信じて待つ、という事でしょうか?もちろん、他の編集長を知らないのでかなりのステレオタイプかもしれません。ちなみに、現在、お世話になっている総合法令出版の編集長は、様々なアドバイスをして下さり感謝しています。

【準備】
・企画書を2P~4P程度で書き、既に書籍を出版している人経由でビジネスに強い出版社を紹介してもらう。
・これまでの営業コンサルの資料を整理する目的で書きためていた内容を整理して、書籍の原稿としてまとめる。

2冊目以降の出版であれば、企画書だけでも判断してくれるようです。初めての場合、原稿まで容易できなくても、どのような内容になるのかが分かる程度の資料は必ず必要です。例えば、目次を用意するとか、初めの章だけ書
いておく、などです。初めての人と2冊目以降の人は、全く別次元の取り扱いです。

【原稿作成】
今回は、共著だったので分担を決めて、書き上げました。共に、書いている内容に精通していたので、内容や構成について互いに赤ペンを入れて4回くらい書きなおしを行いました。一人で書いていると、内容と構成が客観的に分からなくなります、多分。その場合、内容に精通していそうな人、日本語とロジックが整っている人、と分けてアドバイスをもらうと良いかもしれません。

【ゲラ】
内容、文章の表現、構成が整っていると、ゴーサインが出た後の作業が楽になります。今回は、持ち込んだ原稿をもとにゲラ(実際に本と同じ見た目になる原稿)を編集長が作成してくれます。これは2月の作業を予定しています。通常は、ゴーサインが出た後、ゲラを作る前に原稿レベル(例えばワードなど)で内容の修正を何往復か編集長とやり取りを行うそうです。

今後の予定は、2月頭に出来上がったゲラをもとに、初校、再校を行い印刷する準備を整えます。出版社によってもまちまちでしょうが、総合法令出版さんは月に2回、書籍を販売するようです。従って、出版したい次期があれば、
相談に乗ってくれます。今回の書籍は営業管理者向けという事で、4月の出版が良いでしょう、との編集長のアドバイスで、3月24日の出版となりました。

■本の体裁
内容が出来ても、本を縦書きにするのか?横書きにするのか?ソフトカバーか?ハードカバーか?価格をいくらにするのか?表紙のイメージをどうするのか?書籍のタイトルは?などと、様々決める事がありました。

【タイトル】
これ、超重要です。企画書の段階からも重要です。タイトルに響かない限り、企画書の中身を読んでもらえない可能性もあるそうです。今回は紹介してもらい書籍化が決まりましたが、出版社に営業する過程で、タイトルで判断された事も多々ありました。

初め「営業管理者の虎の巻き」から始まり、「営業管理者のバイブル」、「稼ぐ営業管理者のバイブル」。バイブルを教科書にした理由は、総合法令出版さんから「取締役の教科書」という書籍が既に出ており、それに乗っかろう!というのもありました。ただし、最終的にまだ書籍のタイトルは編集長に合意を得ながら決めていく予定です。

【ページ数】
ページ数は、原稿量にもよりますが、書籍化する時にコントロールできるようです。本のページ数は、文字の大きさや文章の量で決まると思っていましたが、図の挿入・大きさなども影響します。そして、最も影響するのが紙の厚さだそうです。ページ数より、読者は本の厚さを気にして購入する傾向があると聴きました。勿論、モルタルの場合ですが。ターゲットや本のジャンルによって、本の厚さをコントロールできるとは、反則技のように感じました。

【縦書きVS横書き ハードVSソフト プライシング】
ワードで原稿を書いている限り、無意識のうちに横書きになります。ゲラの段階で、横か縦かの意思決定が必要です。横書きのイメージは、テキスト、教科書の印象を与えるため、軽い感じのビジネス書は縦書きが多いようで
す。今回は、電車の通勤時間に、普段あまり本を読まない営業管理者が、タイトルに惹かれて、ちょっと買ってみよう!と思って頂く。というイメージを持ちましたので、縦書きをイメージしています。

それからカバーもソフトカバーです。ハードカバーにすると原価が上がるため、2000円を超える価格になります。この価格だと気軽に買えないのでソフトカバーにしてほしい!とお願いしました。因みに、最も売れる価格帯は、1)1300円~1200円、2)1000円でお釣りがくる価格、3)1500円でお釣りがくる価格。だそうです。勿論、ビジネス書以外の全ての本を含んでいます。

アマゾンでは1500円未満は送料300円がかかるので、初めからクリックの世界で買ってもらうためには1200円も1500円も300円の送料を考えると価格として同等とみなしていいかも知れません。ただし、日本における本の売上構
成をみると、アマゾンが1割、他の書店が9割です。アマゾン1社で1割とみれば脅威的ですが、9割はまだまだ、モルタルの世界で売られています。これも全ての書籍をひっくるめた話ですが。因みに、モルタルの売り上げの打ち、6割~7割が東京、2割が大阪、残りの1割程度が他の地域だそうです。当たり前ですが、書籍の売り上げは人口、ビジネスパーソンの数、書店の数と相関しているのです。

つらつらと書きましたが、まだ書籍化の途中です。次回も、共有できる情報をブログに載せたいと思います。

早嶋聡史





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