景気回復?

2006年6月6日 火曜日

早嶋です。



5月の月例経済報告で、与謝野経済財政担当相は、「景気は回復している」の内容で報告書を関係閣僚会議に提出しています。これに関して、少し紐解いてみます。まず、過去に経験した景気の波は、以下のようなものがあります。



 神武景気:    54年11月~57年6月  31ヶ月間

 岩戸景気:    58年6月~61年12月  42ヶ月間

 オリンピック景気:62年10月~64年10月  24ヶ月間

 いざなぎ景気:  65年10月~70年7月  57ヶ月間

 バブル景気:   86年11月~91年2月  51ヶ月間

 現在:      02年2月~06年5月   52ヶ月間



これを見る限り、02年2月にはじまった景気拡大は52ヶ月となり、バブル景気を抜いた形になり、戦後では、いざなぎ景気に次ぐ2番目の長さになっています。さらに、これが11月まで継続するえば、その波は戦後最長ということになります。やはり、景気は回復しているようですね。



今回の景気回復は、米国や中国といった海外経済の好調に加え、国内企業の努力に支えられていると報告では述べられています。確かに、企業は雇用、設備、債務といった3つの過剰を解消し、体質強化を図っています。これによって収益性はよくなり、今年の3月期の上場企業の経常利益は、3年連続で過去最高を更新する見通しです。



でも、上記の3つは解消に痛みを伴っている面もあります。雇用や賃金は実力主義の反映もあり、平均では低減しています。また、完全失業率は4.1%まで低下したと言っても、バブル期の倍の水準です。(失業率低下は、ニート出現も大きく寄与していますね。)



そこで、景気は回復しているのか?と考えるとまだ、疑問が残るところです。ポイントは、上記の景気の波を期間で捉えていることがあります。例えば、いざなぎ景気の時の実質成長率は11%、バブル景気は5%程度です。これに対して今回の成長率は2%程度です。今回の報道は、紙面を含め、「景気は回復している」「戦後2番目の長さの景気の波」とあるのはフォーカスしてる点がその期間だけだったからです。景気を体感するためには、5%以上の実質成長率が必要ともいわれます。景気回復に対して疑問がのこるのは、このような理由によるものだと思います。



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