百貨店のサマーセール

2009年7月4日 土曜日

早嶋です。



2日の報道発表で大手百貨店5社の6月の売上高速報がありました。結果は軒並み前年割れです。そんな中でも積極的に6月上旬から夏物セールを実施した大丸と松坂屋は1ケタ減にとどまっています。一方、三越と伊勢丹はセールを抑えていたため減少幅は2ケタでした。



7月になり大手百貨店はサマーセールを積極的に行っています。本日、新宿の伊勢丹を訪ねましたが、従来値下げを控えていた一部ブランド品も割引対象になっていました。積極的な値下げによって顧客の財布の紐を緩める戦術です。この効果は短期的に見て成功でしょう。



しかし、そもそも百貨店は3つの競争戦略において差別化戦略をとって来ています。そのため、他のディスカウンターと比較しても確実にコスト高のビジネスモデルになっています。そこに価格による勝負をおこない見かけ上のコストリーダーシップ戦略にシフトしたところで、ますます利幅が薄くなり自分たちの首を絞める事になると思います。



百貨店ということで、万人に対しての品ぞろえを行い、万人に対しての顧客満足を提供しよう!というのは結局、誰に対してもつまらない品ぞろえになります。しかも、手っ取り早く、店舗の1階はスーパーブランドで固めるが故に、大手百貨店どこを見ても違いが分からなくなりつつあります。



これだけ成熟した経済の中、同じ業態を続けるのであれば、より顧客セグメントを絞って可処分所得の高い人にフォーカスするか、百貨店から極端な話一貨店にする勢いで、もっと品ぞろえにメリハリをつけるなどの抜本的な改革を行う必要を感じます。



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