同調効果

2009年5月15日 金曜日

早嶋です。



本日は終日東京でした。午前中、大きなプレゼンを1件済ませ、その後2件営業でした。明日は大阪にて、りそな銀行さんの研修のため、現在、新幹線で移動中です。



同調効果。多くの人は長いものに巻かれます。最近、ホテルに連泊すると、タオルの再利を呼びかける案内を良く目にします。この案内も同調効果を使うと功を奏します。タオルの再利用は、毎日新しいタオルに交換しないで、自分の使ったタオルを次の日も使うことでエコ活動に協力することです。



タオルの再利用はエコ活動につながりますが、ホテルとしてもタオルの交換コスト、つまりクリーニングコストを削減することができます。ちなみにタオルを交換するコストはあるホテルでは1日につき1.5ドル程度、150円です。



同調効果を実際にホテルに協力してもらって検証した人がいます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校のノア・J・ゴールドスタイン氏です。彼の調べによると、タオルの再利用に関してお客さんにお願いするとき、「大半のお客様がタオルの再利用をなさっています」とお伝えするときよりも、「このお部屋をご利用になったお客さんのほとんどがタオルの再利用をなさっています」と伝えたほうが、再利用の協力をしていただける確率が高いことが検証されています。



これは何を意味するのか?同調効果を利用することによって、マーケティング活動を効果的に行うことができるのです。



しかし、同調効果、常にプラスに働くとは限りません。例えばある国立公園で、「公園を訪れた人の多くが、木の化石をこっそり持ち帰ってしまいました、だから持ち帰らないでください・・・」と実態を嘆く文章を添えて訴えかけました。しかし、「記念品として持ち帰らないでください!」と直接訴えるよりも前者の方が盗難を減らす効果がはるかに低かったのです。これは同調効果がネガティブな方向に働いたからです。



近年、ニュースで自殺者の実態が発表されるようになりました。今年は、自殺者の数が例年になく多かったそうです。この発表も本日に紙面にありました。これは同調効果をネガティブに働かせるメッセージになるのでは?とおもいます。



人は、自分と似ている人と同じ行動をとりたがる傾向があるのです。このことをうまく活用することによって、自社を有利にするマーケティングのメッセージができると思います。勿論、諸刃の剣の部分があるので、活用する時は十分にその効果を検証する必要があると思いますが。



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