誘引効果

2008年11月6日 木曜日

早嶋です。



先日、とある飲食店でワインのメニューリストを見ていたら松竹梅のプライシングになっていることに気付きました。つまり、驚くほど高いワインがリストに載っているので安いワインよりも中くらいのワインを選ぼうとしてしまっているのです。



選択肢行動経済学では誘引効果ともいわれますが、いわゆる端っこ嫌い。何かの選択肢にプラスであれマイナスであれ飛びぬけた選択肢を1つ加えることで中間の性格を持つ選択肢を選びやすくなる傾向です。この事は次のような実験で何度も確認されています。



【ケース①】

あるグループの人にデジタルカメラを買ってもらいます。モデルは2種類。2万円の機種と5万円の機種。どちらも同ブランドの機種とします。価格と性能はどちらとも妥当なものだとします。



この結果、購買した割合に差は無く、どちらも50%でした。



【ケース②】

ケース①の機種に加えて12万円の機種を追加します。つまり、選択肢が3つになりました。



この結果、12万円の機種を選んだ人がいたにせよ、それ以外の機種を選ぶのはそれぞれに、同じくらいの割合で分布するはずです。しかし、実際は飛びぬけて価格の高い機種を追加したことによって、真ん中の機種、5万円の機種を選択した人が一番多くなるのです。



上記のような実験で誘引効果が示されます。つまり、選択肢が増えると真ん中を選びたくなるのは、それが妥当だという理由を見つけたような気がするからなのです。12万円の機種がその理由付けを与えたのです。



さて、ワインリストに戻ってみましょう。この場合も、超高いワインは上手く中間隊の価格を選択する理由付けを与えてくれているのです。このプライシング、コントラスト効果とも言われ価格設定に度々利用されています。



例えばすし屋さんのお任せにぎり。得上・上・中っと言った感じです。この場合も、上の注文が多くなります。類似商品で5000円の商品と4000円の商品があった場合、6000円の商品を追加することによって、5000円の商品が最も売れる可能性が高くなるのです。場合によっては使える小技ですね。



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