マーケティング及び戦略立案研修の参加者から質問がありましたのでブログで共有させて頂きます。一部抜粋加工しています。
Q:
マーケティング研修及び戦略立案基礎研修では、事例を交えたご説明で分かりやすく、マーケティングを日々行っている中でフレームワークを意識したり、電車内での広告をふと見たときに企業のマーケティング戦略(どの層をターゲットにしているか)などかなり興味を持つようになりました。
キャズム理論のお話を伺った後すぐに「キャズム理論」という本を探して読んでしまいました。
ただ、日々悩んでいることはあらゆるフレームワークを勉強させて頂いた中で自分の業務でどのように活かすかです。フレームを知れば知るほど多面的に見るが故、スピードアップが出来ないジレンマが実はあります。この点はTry and errorでしょうか・・・
そこで、伺いたいのはもう少し勉強したいと思っている小生にお勧めの本がございましたら、ご教示戴けたらなと思いメールしております。ご多忙中恐縮ながら、アドバイス戴きたくよろしくお願い致します。
(早)⇒
ご質問とご感想、ありがとうございます。フレームワークは、沢山知っている事に意味はありますが、とことん使いこなすことにも意味があります。お勧めの本、どのような事を学びたいのか?もう少し情報を頂けますでしょうか?よろしくお願いします。
ご多忙の折、折り返しご連絡ありがとうござます。
ご質問のどのような事について学びたいかについてですが、ご存知の通り小生の所属する●●マーケティング部署はまさに”金のなる木”成熟期から”衰退期”に入っております。そのような状況下で新興国プロジェクトという名の下新興国へのアプローチを考えなければならない状況下、衰退期にある製品を扱うものとしてそれを新興国で拡販するという命題に対してどのようなマーケティング観点で市場を見るべきか参考になるような本を読みたいと思いメール差し上げた次第です(分かりづらい回答ですいません)。このような業務にヒントとなるような本があれば推奨戴きたく。
A:
■新興国、特にBOP関係の書籍
・ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ) (単行本)
・アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略――ローエンドから攻め上がれ (単行本)
・アフリカ 動きだす9億人市場 (単行本)
■先進国から新興国のマーケットに行く場合、技術者の発想を転換する必要があるかも?と考える本
・イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press) (単行本)
・イノベーションへの解 収益ある成長に向けて (Harvard business school press) (単行本)
・企業変革のプロフェッショナル (ビジネス・プロフェッショナルシリーズ) (単行本)
・ジョン・コッターの企業変革ノート (単行本)
■ライフサイクルについての考えを深める本
・ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション (単行本)
などを参照してみてはいかがでしょうか?
早嶋聡史
2010年7月 のアーカイブ
本の紹介 Q&A
女子会
2008年頃から継続的にブームになっている女子会。はじめは「姫飲み」やら「乙女会」など言葉が浮動していましたが最近は女子会に落ち着いています。
女性だけ集まって何かする女子会。「おしゃれをして女子だけでゆっくり盛り上がりたい」「ドレスアップしてシャンパンとDVDで女子で盛り上がる」
事の発端は関西で人気を博した人気モデルで読モと呼ばれる読者モデルの女性たちが女性だけの会を開いてはブログなどにコメントしているところから言葉が生まれたようです。また米国のテレビドラマ「Sex and the city」の影響も大きいでしょう。
女子会は、おそらく2008年よりもずっと前からありましたが、言葉として浸透すると、それが更にブームになる。という感じで広まっているようです。ヤフーバリューインサイトの調査によれば、仕事を持つ女性の過半数が月に1回以上は女性だけで集まってワイガヤする食事会や情報交換会をしていると言います。
女子会の内容はお店で食事やお茶をするが9割程度をしめ、お店でお酒を飲むも7割を占めています。誰かの家に集まってホームパーティーをする女子会はやや少ないものの、5割は占めています。
女子会。
旅行、飲食店、宿泊業、エステ、スポーツ施設、映画館・・・。女子会をキーワードに積極的な企画を打ち出す企業が沢山あるように、このキーワードは安定的な需要があると思います。
早嶋聡史
PBって良いの?
日本の小売店でもプライベートブランド(PB)はすっかり定着しましたね。メーカー品と比較して2割~3割やすいPB商品は景気後退でしばらくは市場に浸透しましたが、売れない商品が在庫の山として積み上がり、PBそのものを見直す小売業も出ています。
その理由は、PBの価格構造にあります。1つ目は、PB商品は小売業のもっともよい棚に配置されるため、費用をかけて広告を打つ必要がありません。そのため広告費分価格が安く提供できます。2つ目は、商品の買い取りです。PBは小売が全店商品を買い上げるため、メーカーの在庫処分のためのコストを価格に反映する必要がなく、その分安く提供されます。
小売業のメリットは、PBにより他店との差異化がはかれる、メーカーの商品よりも高い利益を確保できる、などがあります。もちろん、これらのメリットを享受できるためには規模の経済が必要である程度のロットを販売できる力が必要です。
そのためにはPBを安易に導入するのではなく、適切な需要の予測がポイントになります。さもなければ在庫の山を抱えることになるのです。
早嶋聡史
ロジカルシンキング研修@福岡県市町村研修所 2日間
本日、明日の2日間。福岡県市町村研修所にて、ロジカルシンキング研修を行っています。
毎年、この時期に2日間かけて県内の公務員の方々を対象にロジカルシンキング研修を実施させていただいています。今回の参加者は40名程度、2チームに分かれてもらい、弊社の長田を早嶋の2名体制でワークショップを実施しています。
参加者の方々、2日間、よろしくお願いします!
上司のコーチング その9
上司のコーチング-9 現状を確認する-3
前回は「何が起きているのか」を明確にすることを取り上げました、今回はその問題が「なぜ」起きているかを考えることにします。ここではデータを眺めながら、部下と一緒にその問題を考えます。
例えば、「上位20%までの優良顧客で、昨年年初から顧客シェアが約20%低下している。他社商品への買い替えが進んでいるようである」という問題が見えたとします。それに対して原因を究明しなくてはなりません、いったい何が原因だと考えられるでしょうか?
たいていの場合、上司は部下に問いかけます、「君、一体どんな理由でシェアを落としているんだ?」と。そしてほとんどの場合、部下は答えます、「価格差で負けるんです」或いは「商品力で負けています」、「会社の知名度が違うんです」と。
自分の営業のあり方が問題だと思っている営業パーソンは余り見たことがありません。いたとすれば体育会系の反応です、「申し訳ありません、私の責任です、どこかで挽回します」、潔くはありますが、何の解決にもなりはしません、こんなやり取りは無益です。
大事なことは、何が原因でその問題が起きているのか明らかにすることです。そして問題の解決策を見つけるのです、今までに起きてしまったことは仕方ないとして、これ以上は食い止めなくてはなりません、できれば失ったシェアを少しでもとり戻したいところです。
問題は「営業活動が偏っていた」、自分にとって行きやすい顧客ばかりに行っていたのです。「各顧客の昨年の売上高実績と訪問回数を出してくれないか」と部下に要求しました、分かったことは、重要顧客の入札に応札できていない事が何回もあったことでした。
次に考えるべきことは、「今後同じような問題を起こさないために何をするか」と「少しでも挽回するために何をするか」です。これも押しつけるとやりません、部下と一緒に考えて「こうやります」と合意できること、そのためにはデータを使って指導することです。
上司のコーチング その8
上司のコーチング-8 現状を確認する-2
前回は「現状を確認する」について「営業利益」を題材に考えて頂きました。もう少しこれについて考えて行きます、テーマは「売上高が減少している」です。前にも書きましたが、ここでいきなり「なぜ?」に飛びついてしまうと大間違い、まずは「何が起きているのか」を明確に認識することから始めましょう。そんな時、例えば「5W2H」から「WhyとWho」を除く「3W2H」で考えると便利です。
「Where」:売上高の現象はどこで起きているのだろうか、「どこ」の考え方にはいろいろとあります。例えば「上位20%の顧客、Aランク顧客、ヘビーユーザー」などの顧客ランク、或いは「都市圏の顧客、郊外の顧客」などの地理的な分類、また「製造業、サービス業」などの業種、「売上高xx億円以上の顧客」など規模や発生の範囲もあるでしょう。
「What」:その市場で何が起きているのだろうか、「なに」の考え方にもいろいろあります。例えば「中間の価格帯が売れない、客単価が下がっている」などの価格の特性、或いは「買い替えサイクルが長くなった、他社商品への買い替えが増えた」などの買い方の変化、「成約率が低下した、競合の勝率が低下した」などの取引上の問題点が見えるかもしれません。
「When」:これにもいろいろあります、例は割愛しますが、「いつから始まったか」、「どんな時に起きているか」、「いつも起きているのか、それとも特定の時だけか」「いつ気がついたか」など、問題の発生と時間に関ることも考えなければいけません。
「How」:これも考えることはあります、発生のあり様とでも言いましょう。例えば「突然起きた」「一気に拡大している」「ゆっくりではあるが拡大している」「拡大の傾向が強まっている」、「影響の範囲が広まっている」など、インフルエンザの報道みたいですね。
「How Much」:ここでは発生の規模や頻度を考えてみます、「低下した客単価、失った金額、変化した顧客数、失ったシェア」など問題の大きさを表すことを考えて下さい、もう一つは問題のインパクト、「低下率xx%」「逸失率xx%」などがあるでしょう。
このように「何が起きているのか」と問題をいろいろな角度から眺めて問題の全容を明確にし、その上で「最も大きな問題」はどれかを考えるのです、それが「現状を確認する」ことの意味です。
セミナー報告 @ 富士通ファミリー会
本日は、富士通ファミリー会九州さんの仕事で、若手社員向けのビジネス力強化というお題目でワークショップを行っています。
目標を設定して!というテーマは多いですが、目標をどのように設定するのか?という所からスタートしています。同世代の参加者に議論をしていただきながら、様々な考え方を共有して頂くことも目的です。
参加者の方が、午後も活発な議論をお願いします!
本の委託販売の落とし穴
箱の外で考える。think outside of box. 業界に長くいるとその商習慣が当たり前になってしまう事が多々あります。つまり、箱から出る事が出来なくなるのです。
例えば書籍や雑誌の商習慣です。書店は本の取次会社から販売を委託される形で仕入を行います。そして一定期間内なら自由に返本ができるようになっています。出版社と取次会社と書店の3者の契約に基づくもので、国内の実に9割以上が上記のような委託販売で取引されています。
ちなみに返本OKの期限は新刊本が4カ月。雑誌は45日~60日。
これって書店にとってみれば在庫を抱えるリスクが無いのですが、実は盲点で、書店が経営を甘くしている理由になっていると思います。
出版科学研究所の調べでは、書籍や雑誌の出版点数は年々増加しており2009年で8万点を突破しています(確かに、私も出しているくらいなので、なっとくです)。では返本率はどのくらいなのでしょうか?なんと2009年の返本率は書籍で40.6%、雑誌で36.2%です。書店経営の営業利益率が1%の理由もうなずけますね。
書店の仕事は極点に言うと、売れない本を仕入れては店頭に並べ、返本のために梱包作業を繰り返しているのです。儲かるのは物流屋さんくらい。作業にかかる人件費、物流コスト、時間。ただでさえ低い利益率を圧迫しているのです。
注文しても売れない本は返品するからリスクは無い。このような浅はかな考えが書店の経営を根本的にダメにしているのかもしれません。
早嶋聡史
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